これまでにさまざまなダイエットに取り組んでいるダイエッターならば、「地中海式ダイエット」と呼ばれるダイエット方法を一度は耳にしたことがあるだろう。地中海沿岸の伝統的な食事スタイルを取り入れるこのダイエットは、「健康的なダイエット」として知られており、実践経験がある人も少なくないはずだ。
地中海スタイルの料理を用意するとなると、ハードルが高いように感じる人もいるに違いない。だが、地中海式ダイエットは3つの簡単なポイントさえ押さえておけば、意外と簡単なのかもしれない。海外のさまざまなニュースを伝える「MailOnline」にこのほど、「地中海式ダイエットのルール」に関するコラムが掲載されたのでその内容を紹介しよう。
最近の研究によると、「果物を食べる」「魚を食べる」「清涼飲料を控える」というこの3点を守ることが、地中式海ダイエットにおいて非常に重要であることが明らかになったという。このルールを一つ守るたびに前がん性の大腸ポリープリスクを30%以上減らせるそうで、すべてのルールに該当するように行動変容できれば、こういった病変リスクを最大で86%もカットできるとのこと。
研究はテル・アビブ医療センターのグループによって実施された。研究者たちは大腸の内視鏡検査を受けた人たちをはじめとする808人の食生活アンケートを分析。対象者は、大腸ガンリスクが高くない40歳から70歳だった。同研究における「地中海式ダイエット」とは果物や野菜、豆類、ナッツ類、種子、全粒粉、魚、肉を平均よりも多く摂取し、オリーブオイルのような不飽和脂肪酸を多く摂取する食事と定義した。
その結果、大腸内視鏡検査によって大きなポリープが発見された人は、地中海式ダイエットの食事をしていないことが判明した。地中海式ダイエットにおける典型的な食べ物を2、3種類食べるだけで、全く食べない人よりもポリープの生成リスクが半減したという。さらに進行性ポリープの生成リスクを下げる最善の方法は、果物と魚を多く摂取し、ソフトドリンクの摂取量を減らすことも明らかになった。
この大規模な集団ベースのコホート研究は、大腸ポリープが食事や他のライフスタイルと関連しているという仮説を証明するものだった。だが、この研究結果と死亡率の低下に相関があるかは不明のままだ。また、食生活の変化が有益であるかどうか、もしそうならばいつ食生活を変化させればよいのかも明らかになっていない。
「そのように情報が不足しているにも関わらず、地中海式ダイエットを他の健康関連の要因とすることは理にかなっています」と、欧州臨床腫瘍学会(ESMO)広報担当でリスボンのInstituto CUF de Oncologiaのダーク・アーノルド博士は語っている。
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記事監修: 杉田米行(すぎたよねゆき)
米国ウィスコンシン大学マディソン校大学院歴史学研究科修了(Ph.D.)。現在は大阪大学大学院言語文化研究科教授として教鞭を執る。専門分野は国際関係と日米医療保険制度。