7月30日、世界最大級のガレージキットイベント「ワンダーフェスティバル2017[夏]」が千葉県・幕張メッセにて開催された。ワコムブースでは、液晶ペンタブレット「Wacom Cintiq Pro」と「Wacom MobileStudio Pro」と、CG/Game/VFX制作向け3Dモデリングツール「ZBrush」(ズィーブラシ)の体験コーナーを設置し、人気を集めていた。
また、ブース内のステージでは、デジタル原型製作の最先端を楽しみながら学べる初心者向けステージを数多く開催。ここでは2017年2月に行われた「ワンフェス2017[冬]」に引き続き登場した、デジタル原型師見習い・美環(みかん)氏のステージイベントの模様をお届けする。
ステージには、コトブキヤ発のオリジナルアニメ「フレームアームズ・ガール」のキャラクター「源内あお」のコスプレ衣装で登場した美環氏に加え、「月刊ホビージャパン」編集部の伊藤大介氏がステージに登場。今回は「ホビージャパン本誌連動企画 デジタルモデリング作例について」と題し、雑誌「月刊ホビージャパン」9月号に掲載されたデジタルモデリング作例「ウドラ」の製作内容を中心にトークが繰り広げられた。
トークの話題は、以前、美環氏がワコムのペンタブレット「Intuos 3D」と「ZBrush Core」を使用して製作した3D CG作品の紹介から。「最初に作った“ひよこちゃん”は、3D CGで出来ることが詰まっています。ひよこちゃんはシンメトリー(左右対称)になっているので作りやすく、複製機能で群れを作ったり、大きくしてトサカをつけてお母さんニワトリを作ったりしました」と、ZBrush Coreの使いやすさを紹介。
また、3D CG初心者だった伊藤氏も誌面で「ZBrush Core」を使用した3D CG製作に挑戦し、美環氏と相談して「ラーメン」を作ることになったという。美環氏は「ラーメンを提案した際、編集部からは“なぜ?”と笑われたんですが、実はラーメンは形を作るというより、メンマやチャーシューなどの細かいディテールを作る際、感覚的にブラシの種類を覚えられるので、結果良かったと思います。これからZBrushをはじめる方にもラーメンはオススメです」とコメント。伊藤氏も「作品を作る際、目指す形が同じでも色々な方法があることがわかり、練習になりました」と、当時を振り返った。
美環氏がラーメンの次に製作した「龍」も披露された。この龍は「ZBrush Core」に収録されている犬のデータを応用したもので、改造を重ね、長い胴体や鱗、指やカギ爪などを製作したとのこと。
そして、「月刊ホビージャパン」2017年9月号(7月25日発売)の誌面において、3D CG造型ソフトの作例として製作したのが、立川市"公認なりそこね"キャラクター「ウドラ」。こちらは「ZBrush Core」のみで製作したという美環氏。「製作時間は約5時間。今回はZBrushの四角いボックスからボディを作り始め、爪や頭のニュルニュルを引っ張り出しツールで作りました。あとは目の部分は少し出したかったので、目の周辺をへこませ、だ円系のパーツを作って目を表現してみました」と、製作工程を説明。
美環氏は「3D CGと聞くと"自分には難しくて出来ない"と感じる人もいるかと思いますが、実はそれほど作業はないんです。市販のプラモデルの改造パーツを作るのはもちろん、コスプレの小物を作る際にも便利。今まで布で作っていたパーツを3D CGで作るのもアリですね。中身を空洞にして軽量化できますし、興味のある方はぜひチャレンジしてみてください」と、3D CGソフトの便利さをアピールした。