生活者の実感や時代の特徴が読み取れる、様々な統計調査を行っている明治安田生命。全国の20~79歳の既婚男女を対象に2017年4月初旬に行った「家計」に関する調査でも、家計管理やお金に対する意識、働き方など、現在の家計を取り巻くお金状況がリアルに見える結果を発表しています。公表されたデータの中から、特に興味深いものをピックアップして紹介しましょう。
夫婦のこづかいは家計をリアルに反映する
家計が厳しくなったとき、減額対象になりやすいのが夫婦のこづかい。ゆえに、この金額は家計の余裕を反映しているといえるのではないでしょうか。
下図は20代から50代の回答を全体と男女別にし、調査を開始した2007年からの推移を示したものです。これまでほぼ一貫して右肩下がりを続けてきましたが、アベノミクス効果が現れた影響からか2016年は6年ぶりに増加。ところが2017年は一転して、調査開始以来最低を記録するという結果になりました。企業業績は回復しつつありますが、生活者の収入アップにはつながっていないようです。
あわせて、希望するこづかい額の調査もしています。その結果は男性が「4万5,750円」で現実とは約1万4,000円の差、女性は「2万8,670円」と約1万円の差。希望と現実の間には、大きな違いあることもわかりました。
へそくりも大きく減少。しかし妻のへそくりは夫の約1.7倍
約7割の人が「いざというときのため」にしているということからも、家計の余裕度を計る調査といえるのがへそくり(配偶者に内緒にしているお金)です。
こづかい同様、へそくりも前年から大幅にダウン。20代から50代の平均では約17万円も減少しています。こづかいが少なくなった分、へそくりでカバーしているのでしょうか。
男女別の金額の差をみると、独身時代の貯蓄が大半を占めると思われる20代は女性、共働きが多い30代は男性、女性が専業主婦やパートとなり家計管理をする家庭が増える40代、50代は女性の方が多いという結果に。中でも40代、50代女性のへそくりの多さは、家計の不安を象徴しているのではないでしょうか。