結婚、子育て、住宅購入など、大きなイベントを迎える30代。「マイホームが欲しいけど、教育費も心配」「ママが仕事を辞めたら家計はどうなる?」。焦ってはみても、じっくり考える機会は少ないのではないでしょうか。今回は、30代家族の平均貯蓄額と理想の貯蓄額を確認してみましょう。

30代の家族、平均貯蓄額はどれくらい? いくらあれば大丈夫??(画像はイメージ)

30代家族の貯蓄額はいくら?

金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]」(平成28年) によると、30代の平均貯蓄額(預貯金・保険・投資額などの合計)は395万円となります(全ての世帯の平均貯蓄額は1,078万円)。

金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)

一方で、貯蓄と呼べるものがない世帯が31%いることにも注目です。また、一部の富裕層の貯蓄額が平均値を押し上げてしまうことがあるので、中央値(データを小さい順に並べた真ん中の値)も確認してみると、167万円となりました。思った以上に30代の貯蓄額が低いと感じるかもしれませんが、住宅購入の頭金の支払いで大きく貯蓄額を減らし、全体の平均が下がっていることが考えられます。

目標額は、必要な教育費を目安に

理想とする貯蓄額はご家庭の考え方によって異なりますが、「家計の金融行動に関する世論調査」によれば、2人以上の30代世帯が目標とする貯蓄額の平均は1,573万円(中央値は1,000万円)でした。現実の貯蓄額と目標とする額には、大きな差があります。

30代の子育て世帯で、将来的に必要となってくるお金の代表格は「教育費」。小学校から大学まで全て国公立の場合には約750万円、全て私立の場合にはその3倍の額がかかります。そのことを考えると、子どもの進路に合わせて、現状以上の貯蓄が必要なことが分かりますね。まずは、必要な教育費を貯めることから始めましょう。

子どもが小さいうちに教育費を貯めておきましょう

ポイントは、"子どもが小さいうちに貯めておく"ということ。教育費は子どもの成長とともに増え、中学3年生は高校受験、高校生は大学受験のための塾代がかかってきます。ですので、遅くとも中学2年生までに教育費のメドがつくようにしましょう。30代は貯め時なのです。

30代の収入と支出のポイント

住宅資金・教育費・老後の生活費、家計の三大支出をどうやってクリアしていくのかは、大きなテーマです。持ち家か賃貸か、子どもは何人欲しいのか、ここでの選択によっても大きな違いが出てきます。しかし、悩んでいても貯蓄は増えません。

まずは、通信費・保険・家賃や住宅ローン・光熱費・税金など、毎月・毎年かかる固定費を見直しましょう。格安スマホに切り替えたり、住宅ローンの金利を少しでも安くしたり、保険の内容を見直したりするだけでも、支出は大きく減ります。確定拠出年金など、節税の効果も大きいです。

また、もしママが働いていなければ、少しでも収入を得ておくと家計が楽になります。年間100万円でも収入があれば、35歳から30年間働くことで、3,000万円にもなります。子育てや家事の負担が大きくならないよう、パパの協力も得ながら、チャレンジできるといいですね。

著者プロフィール

マイライフエフピー代表 加藤葉子
子育て真っ最中のファイナンシャルプランナー。子どもを授かったことをきっかけに、教育費や学資保険の仕組みなどに興味を持ち、ファイナンシャルプランナーの勉強を始め、3年で子どもの教育資金を貯める。現在は、全国の女性からの教育費・老後資金・起業・離婚・投資なのお金の相談を中心に執筆・マネー講師として活動しながら、ファイナンシャルプランナーの育成にも力を入れている。自身のホームページ「女性とシングルマザーのお金の専門家」でもお金にまつわるお役立ち情報を提供している。