ーー赤ちゃんが生まれる前からも写真が好きだったという相武さんですが、お子さんが生まれてから写真の撮り方、写真との関わり方などに変化ありますか?
相武
子どもが生まれるまでは朽ちているもの、錆びているもの、季節の風景を撮るのが好きで、写真自体が好きでした。子どもが生まれてからは写真自体というより、「子どもを写真に残す」ということが好きになりました。
ーー記録として撮る写真に変わっていったのですね。
相武
そうですね。子どもはじっとしていてくれませんし、成長も待ってくれないので、納得がいくまで何度も撮り直すことはできず、その瞬間はその時しかないんです。そして、きっと幼少期のことは自分たちの記憶には残らないだろうから、記録として残したいという一心で、撮って撮って撮りまくっています(笑)。
ーーどんな気持ちでシャッターを押していますか?
相武
綺麗に残そうとは思いませんが、子どものいるこの日々を、より多く残そうという思いで撮っています。一つひとつの瞬間を残したいという一心ですね。いつかこんな写真を見て喜んでほしいとは思わないけど、こんなに大事にしてたんだよ、こんなに成長を喜んでいたんだよという母親である私の気持ちが少しでも伝わるといいなと思っています。欲張りかもしれませんが(笑)。どう思ってもいいし、何も感じなくてもいいけど、残せるものは残そうと、記憶としては忘れてしまう子どもたちや、自分のためにもと思っています。小さい頃の子どもたちの写真を見ると目じりが下がってにやける気持ちをこれからも味わいたいなと思ったりもします(笑)。