説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『メールの設定画面にある「スレッドを全部そろえる」って何ですか?』という質問に答えます。

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メールの設定画面には、「スレッド」に関する設定項目があります。「スレッドを全部そろえる」はそこに含まれるオプションで、特に理由のないかぎりスイッチはオンのままでいいでしょう。

このオプションの役割を説明するには、スレッドの説明から始める必要があります。インターネットメールにおけるスレッドとは、同じトピックについてやり取りした一連のメール群のことで、通常は同じタイトルを持ちます。先頭に返信を意味する「Re:」や転送を意味する「Fw:」が付いたメールも、ひとつのスレッドとして数えます。

たとえば、Aさんから「明日の待ち合わせ」というメールを受信したとしましょう。待ち合わせの場所と時間を書き足して返信すると(件名は「Re: 明日の待ち合わせ」に変化)、さらにAさんが了解した旨を返信してきたとき、Aさんが送信した2通と自分が送信した1通の計3通のメールは、同じスレッドに属していることになります。

同じスレッドに属すかどうかは、メールヘッダ(iPhoneの「メール」アプリでは表示できません)にある情報で判断できます。それぞれのメールには、一意の文字列(Message-ID)が記録されており、返信のとき参照されたメールのMessage-IDもメールヘッダに記録されています。だから、一連のやり取りをスレッドとして把握できるのです。

ご質問の「スレッドを全部そろえる」は、ほかのメールボックスに保存されているメール -- たとえば「送信済み」フォルダに保管されている自分の返信メール -- も同じスレッドとして管理するためのスイッチです。これをオン(緑色)にしておくと、受信したメールだけでなく自分が送信/返信したメールもスレッドに含めて表示できるので、やり取りの流れをより把握しやすくなります。

「スレッドを全部そろえる」スイッチをオンにしておくと、受信したメールだけでなく自分が送信/返信したメールもスレッドに含めて表示されます