ドクタートラストはこのほど、同社が2016年にストレスチェックの実施を受託した321の企業・団体(有効受検者数7万2,311人)における集団分析データをもとに算出した「健康リスク 業種別ランキング」を明らかにした。
健康リスクとは、仕事のストレス要因から起こり得る疾病休業などの健康問題のリスクを、標準集団の平均を「100」として表示するもの。「仕事の負担・コントロール」リスク、および「上司・同僚とのコミュニケーション」リスクという2つの指標をかけ合わせた数値だという。
健康リスク総合ランキングでは、「運輸」が最も高く、数値は112だった。この数値はすなわち、健康問題のリスクが平均より12%高いことを示している。続いて「医療・福祉」(111)、3位は「生活・娯楽」(104)、「製造」(103)、「宿泊・飲食」(102)だった。一方、健康リスクが少ない業種は「郵便等」(87)、「学術・専門」(96)、「インフラ」(97)となっている。
個人ごとの仕事の負担と、それをいかにコントロールできているか、そのバランスがストレスに及ぼす影響を示した「仕事の負担・コントロール」リスクが高かったのは「医療・福祉」(105)、「金融」(104)、「建設」(103)だった。最もリスクが低い業種は「郵便等」(92)となっている。
次に、職場の上司や同僚とのコミュニケーションがストレスに及ぼす影響を示す「上司・同僚とのコミュニケーション」リスクで、最も高い業種は「運輸」(110)だった。2位は「医療・福祉」(105)、「生活・娯楽」(104)、「製造」(103)と続いている。
総合ランキングの結果と「仕事の負担・コントロール」リスクと、「上司・同僚とのコミュニケーション」リスクのそれぞれの値を分析すると、総合ランキング1位の「運輸」は他業種よりも「上司・同僚とのコミュニケーション」リスクが一段と高く、それが健康リスクを高める要因となっていることがわかった。
総合ランキング2位の「医療・福祉」は、「上司・同僚とのコミュニケーション」リスクが大きいことに加え、「仕事の負担・コントロール」リスクも大きい。3位「生活・娯楽」は、「仕事の負担・コントロール」リスクは平均レベルだが、「上司・同僚とのコミュニケーション」リスクが104と高かった。4位の「製造」も同様の傾向があるという。