最近、内定を出した企業が「子どもの入社に賛成か否か」を親に確認する通称「オヤカク」が話題になっている。では実際、子供の就活に口を出す親はどのくらいいて、具体的にはどんなことを干渉してくるのだろうか。マイナビニュース会員に聞いてみた。
まず、就職する際に勤め先について親からの干渉があったか聞いたところ、72.2%(218人)が「なかった」と回答。「あった」と答えたのは27.8%(84人)だった。
続いて、「あった」と回答した84人に、具体的な親からの干渉の内容について聞いた。回答の中から、興味深い回答を筆者の独断でピックアップしたので、紹介していこう。
「ブラックじゃないかどうか」(36歳女性 / 大阪府 / 未婚 / 半導体・電子・電気機器 / メカトロ関連技術職)
「有給休暇をきちんと消化できる会社かどうか」(39歳男性 / 茨城県 / 未婚 / ソフトウェア・情報処理 / IT関連技術職)
「勤務時間について」(34歳男性 / 埼玉県 / 未婚 / インターネット関連 / クリエイティブ関連)
「就職先の給料など」(30歳男性 / 茨城県 / 未婚 / その他 / その他・専業主婦等)
「あの会社はここが良い、あの会社はここが悪いなど色々。しかし実際どれも入ってみないとわからない事ばかりだった」(28歳男性 / 福島県 / 既婚 / 電力・ガス・エネルギー / 事務・企画・経営関連)
「中小零細企業はやめておけ、ベンチャーなんかもってのほか!せっかくいい大学に行かせたんだから大企業に勤めろと」(35歳女性 / 兵庫県 / 既婚 / ソフトウェア・情報処理 / 事務・企画・経営関連)
「安定したとこじゃないとダメ。企業の募集要項を吟味し、ここなら応募して良いなどと意見してきた」(29歳女性 / 愛知県 / 未婚 / 精密機器 / その他・専業主婦等)
「銀行とか税務署とか、堅実な仕事に就きなさいということを親からよく言われた」(37歳男性 / 岐阜県 / 既婚 / 教育 / 専門サービス関連)
「企業の将来性。本当にその会社でそれをしたいのかどうか」(34歳男性 / 埼玉県 / 既婚 / 建設コンサルタント / 建築・土木関連技術職)
「大学で県外に出た。その土地で就活をして内定をもらったが、親から地元で就職するよう毎日説得の電話があり、結局Uターン就職した」(30歳女性 / 福島県 / 既婚 / 銀行 / 営業関連)
「長男なので、転勤や勤務地について心配された。実家の近隣県で働ける企業を勧められた」(33歳男性 / 山口県 / 未婚 / 教育 / 専門職関連)
「実家から通えるところにしてほしいと言われた」(27歳女性 / 神奈川県 / 未婚 / ガラス・化学・石油 / 事務・企画・経営関連)
総評
就職活動で親から干渉があったかを尋ねた今回のアンケート。干渉が「あった」と回答したのは約3割だった。
干渉の内容については「ブラック企業じゃないか」「有給休暇を消化できそうか」といったライフワークバランスを気遣う声が多かった。また企業の倒産や買収が珍しくなくなった世相を反映しているのか、会社や業界の将来性を気にかける親も多かった。このほか、就職・結婚・子育て・老後を考えてのことだろう、実家から遠くない土地で働いて欲しいと願う親も多かった。実際、親のために内定を蹴って地元で就職したという女性もいた。
子どもの就職活動に、親はどのくらい関与すべきだろうか。これは、いつ子離れするべきかという問題にも直結してくる。「子供の就活にまで口を出すなんて過保護だ」という声は充分に理解できる。しかし就職のタイミングは、親が子供の人生に干渉できるほぼ最後の機会かも知れない。そんなことを思うと、親の気持ちも無碍にできない。
かくいう自分も、10代、20代の頃は親の干渉がうるさくて仕方なかった。しかし親元を離れ、年齢も重ねた今では、親の気持ちもよく理解できる。子供はいくつになっても子供なのだ。
調査時期: 2017年7月14日
調査対象: マイナビニュース会員
調査数: 会社員302名
調査方法: インターネットログイン式アンケート
※写真と本文は関係ありません