オンラインとオフラインを繋ぐ存在になりたいというLINEの新サービス「LINEショッピング」。そのためにどのような仕掛けを用意しているのだろうか。前回に引き続き、LINEでコマース事業とO2O戦略を担当する藤井英雄執行役員にお話を伺った。

LINEの狙いはオンラインとオフラインの融合

前回もお伝えしたように、LINEショッピングは買い物かごや決済は各ブランドに任せており、ポイントカードなどの扱いについても、LINE ポイントとは別に各ブランドの独自ポイントがもらえる。

ショッピングサイトというより、現時点ではポイントサービスに近い、ユニークな構造になっている。そして将来的には、各ブランドのオフライン店舗に誘導し、そこで買い物をするような流れを考えているという。

LINEショッピングの現時点でのサービス概念図

オフラインとオンラインを連動する、いわゆるO2Oマーケティングは数年前から注目されている手法であり、成功事例も多数ある。それでは、なぜ生粋のオンライン企業であるLINEはあえてこれからO2Oに着手しようというのだろうか。

藤井英雄執行役員

藤井氏は「LINEの強みはアカウントにある。LINEショッピングを始めたのも、LINE公式アカウントやLINE@といった企業アカウントに集客させるための仕組みになる」と語る。これは一体どういうことなのだろうか、もう少し詳しく見てみよう。

LINE公式アカウントやLINE@といった企業アカウントは、これまでLINEスタンプや割引クーポンなどでユーザーとの接点を築くために使われてきた。しかし、スタンプなどの集客効果にも限界がある。そこで、企業アカウントをより効果的に活用できるよう、オンラインだけでなくオフラインへの送客効果を高める仕組みとして用意したのがLINEショッピングというわけだ。

藤井氏の話を聞くと次のようなフローになりそうだ。オフラインへの送客は、LINEショッピングから各ブランドのプロモーションやキャンペーンを行い、そこからユーザーは時限式のバーコードを取得して店頭のPOSレジにて提示する。店員はバーコードを読み取り、後日その購買金額データをLINEに送信して、LINEはLINE ポイント付与のためにデーターを活用するといった仕組みだ。

LINEショッピングの将来のサービス概念図。企業アカウントを活用してオフライン店舗に誘導することを狙っている

LINEショッピングでは、LINE ポイントに加え、各ショップの独自ポイントもたまるが、LINEにはアプリ内に各ブランドのポイントカードを統合することも公言しており、財布のなかにかさばる各種ポイントカードもLINEアプリのなかに統合してしまえる。そうした利便性の向上も見込める。

LINEアプリにポイントを集約することがLINE CONFERENCE 2017で発表された