Apple Watch

Apple Watchは、「最もパーソナルなApple製品」という位置づけで、ウェアラブルデバイス、特にスマートウォッチのカテゴリのトップランナーとなっている。

そんなApple Watchについては、通信機能を搭載する、より長いバッテリーライフを誇る新モデルの登場にも期待が集まるが、もう少し広い視野、デバイスだけでなく、アプリとの組み合わせによる「我々の健康」をサポートするエコシステムについて注目してみると、実にさまざまなことを実現している。

WWDC 2017で披露した秋に公開予定の新OS「watchOS 4」では、機械学習を活かしたアプリを実現するCoreMLや、Siriの強化によって、より人々にとって身近で役立つ存在へと進化しようとしている。いくつかの分野においては、他のデバイスの追いつけないところにリーチすることになるだろう。

Apple Watchは汎用的なアプリを実行可能なスマートウォッチに属するが、ウェアラブルデバイス市場はスポーツトラッキングから出発していることもあってか、Apple Watchもそれに倣って、フィットネス、エクササイズ、ワークアウトといった分野の充実を図ってきた。

Apple Watchには標準で、アクティビティ、エクササイズ、スタンドの3つのリングを組み合わせた「アクティビティ」アプリが用意されており、これらを毎日完成させる(Appleでは「閉じる」と表現)のを、簡単な目標に設定できるようにしている。

スタンドは1時間あたり1分以上立ち上がるのを12時間達成するのが目標。エクササイズは早歩き以上の運動を1日30分行うことが目標で、ワークアウトに使った時間もここに含まれる。そしてアクティビティは、アクティブカロリー消費だが、これは各人によってゴール設定数値の変更が可能だ。

Apple Watchを装着して「Hey Siri, ウォーキングを開始」と話しかければ、屋外でのウォーキングエクササイズの計測がスタートし、専用のアルゴリズムによるカロリー計算と、GPSによる正確な距離と速度の計測が始まる。

もしお供に音楽が必要であれば、Apple WatchにApple Musicからダウンロードした音楽を入れて、iPhoneなしで音楽を聞きながらの運動が楽しめる。もし出先で水が飲みたくなったり、歩いた先から電車やタクシーで帰りたい場合でも、Apple PayにSuicaを設定しておけば良い。

残念ながら、筆者が住むカリフォルニア州サンフランシスコ郊外は、交通機関が充実していないことから、歩いて出かけたら歩いて帰ってこなければならないが、日本の都市部であれば、帰りのバスや電車をアテにできるようになるだろう。