京都・祇園の旅気分は、グルメでさらに盛り上げてみるといいだろう。「八坂神社」から続く四条通から、祇園の中心を通るメインストリートとなる花見小路通に折れると、由緒ある茶屋や料理屋などが連なる。特別なランチタイムを過ごすにはもってこいの場所である。

花見小路通は道幅も広いため、時には自転車や車も通り抜ける

ころんと愛らしい豆すしたち

花見小路通に店を構える「豆皿懐石 祇をん 豆寅」は、町家の趣をそのままに心地いい空間に改装。カウンター席のほか、大小個室もあり、記念日や大事なビジネスシーンでも利用できるお店となっている。

「豆皿懐石 祇をん 豆寅」。訪れた時は祇園祭の最中だったので、軒先には提灯が

夜の懐石は8,800円(税別+サービス料10%)~となっているが、昼はもう少し手が届きやすい懐石もそろえている。お昼に選べる「豆すし膳」(税別4,200円+サービス料10%)は目にも楽しい品々。この日の豆すし膳は、先付・豆皿三種(焼き万願寺唐辛子・鱧の子煮こごり・トマトの甲州煮)、椀物・翡翠茄子 白味噌仕立、焼物・鮎 塩焼き、食事・豆すし 汁、甘味・黒糖わらびもちという献立だった。

先付・豆皿三種(焼き万願寺唐辛子・鱧の子煮こごり・トマトの甲州煮)

椀物・翡翠茄子 白味噌仕立

焼物・鮎 塩焼き

京都・八幡市の翡翠茄子など、地のものを生かした一品一品は、色の美しも相まって味わい深さを堪能できる。メインとなる豆すしには、その日によって異なる13種の一口サイズの寿司が並び、どれから食べるかつい迷ってしまう。聞けば、おちょぼ口の舞妓さんでも食べられるように、というサイズとのこと。おかげで気分はすっかり舞妓さんだ。

豆すしの中身もその日によって異なる

甘味・黒糖わらびもち

●information
豆皿懐石 祇をん 豆寅
住所: 京都府京都市東山区祇園町南側570-235
アクセス: 京阪本線「祇園四条駅」から徒歩5分
営業時間: ランチ11:30~14:00、ディナー17:00~21:00
定休日: 無休

季節の美をてんこ盛りで表現

京都歩きの疲れを癒やす甘味処なら、八坂神社の目の前に店を構える「金の百合亭」へ。席からも八坂神社を望められるという、いろいろな意味でおいしい甘味処である。

「金の百合亭」へは八坂神社からすぐ

店内からも八坂神社を望むことができる

一番人気は、2014年にオープンした時から展開している「オリジナル抹茶パフェ」(税込980円)。8種類のパフェを時期にあわせて限定で提供しており、金魚が泳ぐ「夏涼み」は7~8月のみとなる。

「オリジナル抹茶パフェ」(税込980円)。7~8月は「夏涼み」となる

「夏涼み」はグラスの下から、抹茶ゼリー、小倉あん、抹茶プリン、白あんを詰め込み、錦玉羹(きんぎょくかん)の池の中には練りきりの金魚と水草、小石に見立てた甘納豆をあしらっている。さらにその上に、バニラアイス、白桃、抹茶シフォンケーキ、生クリーム、抹茶アイス、練りきりの朝顔2輪、白と抹茶の白玉団子、栗の甘露煮、抹茶チュイール、そしてスイカと盛りだくさん。

7月の京都にはまだ少し、紫陽花が残っている

ちなみに「オリジナル抹茶パフェ」は、9月から10月中旬は月に見立てたマカロンとウサギが共演した「月うさぎ」、10月中旬から12月初旬は東山の紅葉を写し取る豪華な「彩秋」、12月初旬から1月は同店のパフェの原点・オペラから着想した「夕鶴」、2月から3月中旬は梅一輪ほどの暖かさを表現した「寒梅」、3月中旬から4月中旬は祇園の桜の美しさを表わした「桜雲」、4月中旬から5月はさわやかな風をイメージした「薫風」、6月は梅雨の代名詞・紫陽花を美しく描いた「紫陽花」となる。

金魚がヒラヒラ

てっぺんにはスイカも

移ろう季節の美しさを目でも舌でも味わうというのもいいだろう。「オリジナル抹茶パフェ」は1日限定20~25個なので、絶対食べたいという人は、早めに訪れることをオススメしたい。

「オリジナル抹茶パフェ」以外にもさまざまなスイーツを用意している

●information
金の百合亭
住所: 京都府京都市東山区祇園町北側292-2
アクセス: 京阪本線「祇園四条駅」7番出口から徒歩5分
営業時間: 11:00~20:00
定休日: 木曜日