説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『音楽再生中にBluetoothが切断されたら、ダダ漏れにならない?』という質問に答えます。
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現在販売されているイヤホンやスピーカーなどのBluetoothオーディオ製品は、半径約10メートルの範囲内でワイヤレスによる音楽再生が可能な設計です。使用される2.4GHz帯の電波はそれほど指向性が強くないうえに、他機器が使用中の周波数を自動的に避けて通信の安定化を図るAFH(Adaptive Frequency Hopping)という機能により干渉に強く、再生は途切れにくいとされています。
しかし、iPhoneとBluetoothオーディオ製品の間に障害物が生じた場合、特にそれがコンクリートや金属など電波を反射しやすい物質の場合、通信状況が悪化して再生音が途切れてしまうことがあります。満員電車のドア付近など、多数のスマートフォンユーザが狭い範囲に集まるときには起こりがちです。
一時的に電波が不安定化したときは、ペアリングが成立しているBluetooth機器ならば最短0.1秒ほどの時間で再接続されますが、そのまま接続が途切れてしまうこともあります。その場合には、iOSに付属の『ミュージック』など音楽アプリは再生を自動的に中止します。バッテリー切れなどでBluetooth機器側が通信不能になった場合も同様です。
つまり、音楽再生中にBluetoothが切断されても、音声出力が自動的に内蔵スピーカーに切り替わり再生中の音楽が周囲に聞こえてしまうことはありません。接続が途切れて再生が停止されたときは、再生操作をしないかぎり一時停止の状態が続きます。イヤホンジャック付きのiPhoneでは、音楽再生中にイヤホンを引き抜くと自動停止されますが、それと同じ動作と考えていいでしょう。