野村証券は7月19日、人工知能(AI)技術とSNS等のビッグデータを用いた景気に関する新指標「SNS×AI景況感指数」と「SNS×AI鉱工業生産予測指数」を開発したと発表した。
AIがツイート・ブログを収集し、指数化
「SNS×AI 景況感指数」は、Twitter上での景況感を指数化した経済指標。ネット上のツイートから抽出したサンプルの中から景況感に関するツイートをAIが収集し、書き込みのポジティブ度合いやネガティブ度合いを自動的にスコア化して毎週公表する。得られた指数は、景気ウォッチャー調査DI等の既存の景況感指数と高い相関が確認されたという。
「SNS×AI 鉱工業生産予測指数」は、SNS上の書き込み等を用いた鉱工業生産指数(以下、IIP)の予測値。ネット上のツイートやブログから抽出したサンプルの中から日々の仕事や景気に関する書き込みをAIで抽出し、その件数を元に機械学習の手法を用いてIIPを予測する。得られた予測値は、モデル作成期間中、部分的に専門家を超える精度を持つことが確認されたという。予測は毎週公表予定。
両指数は、1週間で算出・発表することが可能な「高い即時性」「低コスト」「大きなサンプル数」の特徴を持つ。同社は、早い政策判断や投資判断に活用できるとともに、「サンプル数が多いことで、精度の向上や多様な意見の収集が可能になる」としている。
今回の開発は、経済産業省の2016年度「IoTを活用した新ビジネス創出推進事業(ビッグデータを活用した新指標開発事業)」の一環として行われたもので、両指標は7月20日から同省BigData-STATSサイトにて試験的に公表された。試験公表終了後には、aiQ Indexサイト上にて無料で公表する予定。