説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『iOS 11から「アプリの試用期間をだませなくなる」ってホント?』という質問に答えます。

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アプリの起動をだませなくなるとは、初めてインストールしたかどうかのチェックが厳しくなること、ひいては「初回のみ特典をもらえるアプリ」を使い回せなくなること、という理解でいいでしょうか? そうであれば、答えはYesです。iOS 11の新機能「DeviceCheck」により、iPhoneより厳密に特定することが可能になります。

DeviceCheckは、アプリ開発時に利用されるフレームワークで、Appleのサーバと通信することにより機能を発揮します。iPhoneごとに一意の(他のiPhoneと重複しない)トークンを発行し、それを使うと最大で4とおりの状態を記録することが可能になります。アプリの削除やリセット、システムの復元でも記録が消えることはありません。個人情報に関連したデータは使われないため、「iPhoneを特定するためのしくみ」を安全に実現できます。

この機能を利用すると、アプリから「特定時点の情報」をAppleのサーバに記録できます。1回だけ応募できるキャンペーンを実施する、初回利用時にかぎり特典アイテムを与える、といった機能をアプリに持たせることが容易になります。

不正利用防止にも効果的です。たとえば、アプリの試用期限到来後にiPhoneを初期化すると、そのアプリを再ダウンロードするともう一度試用できてしまうことがありますが、DeviceCheckの機能を利用すればそのような事態を防げます。ゲームアプリで限定アイテムを繰り返し取得するなど、開発者にとって好ましくない使いかたの予防にもなるでしょう。

ただし、アプリの削除やシステムの復元で記録が消えないだけに、譲り受けたiPhoneの場合、以前の持ち主の記録に影響を受ける可能性があります。アプリ側で持ち主の変更に対応することは可能ですが、実際にどう対応するかはアプリ次第となるため、iOS 11が正式リリースされてからの動向が注目されます。

iOS 11の新機能「DeviceCheck」に対応したアプリは、特定時点の情報をAppleのサーバに記録できます