インテージリサーチはこのほど、「介護離職に関するアンケート」の結果を明らかにした。同調査は3月30日~31日、35歳~59歳の男女被雇用者2万人を対象にインターネットで実施したもの。

現在または今後、家族として介護を担う立場にありますか?

現在または今後、家族として介護を担う立場にあるか尋ねたところ、5.8%が「現在、家族の介護を担っている」、5.3%が「近い将来(1~2年くらい)には担っている可能性がある」と答えた。合わせると約1割が仕事と介護の両立に直面していることがわかった。

また、「将来的(3~5年くらい)には担っている可能性がある」も含めるとその割合は24.4%に増加した。「10年以内くらいには担っている可能性がある」まで広げると、50.9%が家族の介護に直面する可能性があることが明らかになった。

家族の介護を担っている(担う可能性のある)人の割合を年代別に見ると、「55~59歳」では、すでに11.7%が仕事を続けながら家族の介護を担っていると回答した。

(年代別)現在または今後、家族として介護を担う立場にありますか?

現在、既に家族の介護を担っている人に、介護や家事を支援してくれる人を尋ねたところ、最も多いのは「同居の家族」(58.3%)だった。次いで「公的な介護サービス(ケアマネージャー、ホームヘルパーなど)」(46.6%)、「別居の家族」(30.0%)となった。

また、「支援は何もない」という回答も11.7%見られた。自分ひとりでの介護や、同居・別居の家族の支援を受けながらの介護など、半数以上は家族や自分の中で介護を抱え込んでおり、社会的な支援が十分に受けられていないことがわかった。これらの結果は、介護度別でも同様の傾向となっている。

介護や家事を支援してくれる人はいますか?

このまま、仕事と介護を両立させていく自信はあるか尋ねたところ、51.6%が「要介護者の状態がこれ以上悪くならなければ、このまま続けていけると思う」と答えた。42.9%は「介護保険制度や民間のサービス等をうまく使うことができれば、このまま続けていけると思う」と回答している。

しかし、現在何の支援も受けていない人の11.5%は「肉体的・精神的に疲れがたまり、このまま両立を続ける自信はない(仕事を辞めることを考えている)」と回答。「介護離職」寸前の状態であることがわかった。

このまま、仕事と介護を両立させていく自信はありますか?

どのような条件があったら仕事を辞めずに続けられると思うか聞くと、最も多い回答は「要介護者が施設等に入所し、自宅で介護をする必要がなければ続けられると思う」(48.3%)だった。

次いで「介護から離れて気分転換したりからだを休ませるなど、自分自身の心とからだをケアできれば続けられると思う」(29.0%)、「公的介護保険サービスが十分に受けられれば、仕事を続けられると思う」(28.3%)が続いている。

そのほか、「在宅勤務やフレックスタイム制度など、柔軟な働き方ができれば続けられると思う」(20.0%)など、働き方の変化によって仕事を継続できるという声も多かった。