マネックス証券では、Good Moneyger社による人工知能(AI)を活用し作成したレポートを毎月公開している。本稿では、7月12日に公開された同レポートの7月版「AIレポート7月」について紹介したい。
同レポートは、AIを用いてマーケットを分析し、世界主要地域の見通しを視覚化し分かりやすく把握できるよう作成したもの。世界の景況感を天気予報形式で表現し、それぞれの地域の景況感を偏差値で算出した上でアセットクラス(株式・債券・REIT)への投資スタンスを「◎・○・△」の3段階でスコアリングしている。
今後1カ月の世界の景況感を表す天気予報マップを見ると、欧州は景気拡大中。米国、日本、新興国の降水確率は前月比で変わらないものの、総じて景気拡大にやや減速の兆しが見える。
なお、天気図に付随する数値は「降水確率」で、月初よりも月末の方が相場環境が良くなる確率が高ければ、降水確率は低下。反対に、月初よりも月末の方が悪化する確率が高ければ、降水確率は上昇する。
次に、世界各国の主な経済指標および、株価指標、債券価格、長短金利、ボラティリティ等を、AIを活用して合成した独自指標「Good Moneyger A.I.合成インデックス」(以下「GM AIインデックス」)を見ると、欧州を除く各国で前月と比べ悪化している。
GM AIインデックスを点数化した地域偏差値は、米国が前月比2ptダウンの58。日本も前月から2ptダウンの54、新興国は4ptダウンの52といずれも悪化となったが、欧州だけは前月から横ばいの57(前月比±0)をキープした。
このほか、GM AIインデックスに基づいた景況感に合わせ、各資産のパフォーマンスを分析。今後1カ月、世界の相場の「天気予報」は概ね晴れであり、原則として景気が拡大している状況にあることから、株式などのリスクアセットのパフォーマンスが期待できるフェーズではある。しかしながら、米国、日本、新興国は今後の下落が心配される局面に近づいていることから、引き続き欧州が相対的にオススメとのことだ。