ユニクロは7月11日、「臭いが気分や生産性に与える影響」について検証結果を発表した。それによると、汗臭はやる気を低下させるだけでなく、ストレスホルモン「クロモグラニンA」を増やすことがわかった。

モチベーション、パフォーマンスが低下?

同実験は杏林大学医学部名誉教授の古賀良彦氏監修のもと、20~30代の社会人9人を対象に実施。汗臭を嗅いだ状態、無臭の状態で心理状態の変化を検証したところ、汗臭を嗅ぐことで気分がネガティブな状態になることがわかった。特に女性は男性と比べて汗臭時の気分の変化が大きく、中でも「疲労・無気力」の項目で差が目立った。

自覚的な心理状態の検証

精神的なストレスの指標といわれるストレスホルモン「クロモグラニンA」の分泌量をみると、無臭の状態ではマイナス0.12(pmol/mg)だったのに対し、汗臭の状態ではプラス0.20(同)に増加していた。

自覚的な心理状態を数値化するVAS(Visual Analog Scale)を用いて、心理面への影響を調べたところ、汗臭では「とてもやる気が出ない」とモチベーションの低下を体感している人が増加。また「とても頭の回転が遅くなった」と答えた人も多く、生産性が低くなると感じる傾向がみられた。

集中力を測定する計算テスト(内田クレペリン検査)により、臭いがパフォーマンスや集中力に与える影響を検証。全体では、無臭、汗臭の状態で計算問題の達成数・正答数ともに顕著な差はみられなかったが、男女別にみた場合、女性は汗臭を嗅ぐと達成数・正答数の両方が低下した。同調査では「女性の方が臭いに敏感ということがうかがえる」と分析している。