Intelは7月11日(米国時間)、データセンター向けプロセッサ「Xeon Processor Scalable Family」を正式発表し、製品ラインナップやアーキテクチャの詳細を公開した。マイクロアーキテクチャをSkylake世代に刷新したほか、キャッシュ構成の変更、AVX-512のサポートなど従来世代から大きな変貌を遂げている。
製品ラインナップをリニューアル
Xeon Processor Scalable Familyについては、これまでに何度か弊誌でも紹介してきたが、従来のXeonではミッションクリティカルな領域をターゲットとし、高い信頼性を提供する4~8ソケットサーバ向けの「Xeon E7」、メインストリームの幅広い用途をターゲットにコストパフォーマンス/ワットパフォーマンスを重視した2ソケットサーバ向けの「Xeon E5」、エントリサーバ向けの「Xeon E3」といったように、基本的にはソケット数で製品のグレードを分けてきた。
Xeon Processor Scalable Familyでは、このグレードをワークロードに合わせて、「Xeon Platinum」「Xeon Gold」「Xeon Silver」「Xeon Bronze」と変更する。最上位の「Xeon Platinum」でも2ソケットに対応し、ターゲットとするユーセージに応じて柔軟にシステムを構築できるいう。
また、前世代においてE7とE5で分かれていたプラットフォームを、Xeon Processor Scalable Familyではすべてのグレードで同じ「Purley Platform」を利用する。チップセットはIntel C620(Lewisburg)シリーズで、1/2/4/8ソケットをサポートする。
Xeon Processor Scalable Familyは、PlatinumからBronzeまで統一されたPurley Platformを利用する。なお、2018年に同じくPurley Platformを利用するXeon Processor Scalable Family refresh(開発コード名:Cascade Lake)を投入することも示されている |
ブランドの変更により、命名規則も新しくなった。Xeon Platinum/Gold/Silver/Bronzeに続いて、1桁目の数字が製品のグレードによってそれぞれ8/6,5/4/3と定められ、続いて第1世代のXeon Processor Scalable Familyを表す「1」、その後の2桁はSKUを示すものとなる。
また、統合されたインタフェースや最適化された用途に応じて末尾に特定のアルファベットが付けられる。例えばOmni-Pathを統合している製品には「F」、長期間(10年間)供給する製品には「T」、ソケット当たり1.5TBのメモリ搭載に対応した製品には「M」が付く。
最上位モデルは28コア/56スレッド
「Xeon Platinum」は、Xeon Platinum 81xxシリーズとして展開。ミッションクリティカルな領域や仮想化、リアルタイムでのデータ解析、AI向けの製品となる。コア数は最大で28コア、2/4/8ソケットに対応する。また高度なRAS機能をサポートする点も特徴だ。
「Xeon Gold」はXeon Gold 61xxシリーズ/51xxシリーズを展開。コア数やメモリのサポートなどが異なる。61xxシリーズは、パフォーマンスが求められる汎用演算処理やストレージ、ネットワーク向け。一方の51xxシリーズは幅広いワークロードに対応するという。
「Xeon Silver」と「Xeon Bronze」はそれぞれXeon Silver 41xxシリーズ、Xeon Bronze 31xxシリーズとなる。比較的な軽めなワークロード向けで、Xeon Bronze 31xxシリーズは既存のXeon E3からのアップグレードをターゲットとする。
合計で51製品をラインナップする。パフォーマンス重視/電力効率重視/長期供給/Omni-Path統合といったカテゴリーに分けて展開する。