7月3日より成田線に1便が増え、合計週4便となって日本とポーランドを結ぶLOTポーランド航空。2016年1月の成田線就航時より、ボーイング787を運用している同社だが、機内の様子はどんなだろう、と気になる存在であった。いよいよ搭乗する機会を得たので、レポートしたい。

いざ、LOTポーランド航空の機体の中へ

「さすがワイドボディ」な開放感

LOTポーランド航空と言えば、ANAと並んで787ドリームライナーを積極的に運用してきたエアラインで、2014年には同社にとっての初号機が1,000便のフライトをこなしたことで安全性を確認した、と世界に先駆けて発表している。2017年6月にももう1機受領している他、2018年以降も受領予定の機材があるくらい。現在も日本路線に導入しているので、最新鋭機に当たる可能性も高い。

LOTポーランド航空は現在、LO79(15:10ワルシャワ発/翌8:45成田着)とLO80(10:20成田発/14:05ワルシャワ着)を週4便(月・火・金・日曜日)運航している。取材時は往復とも最新鋭機ではなかったものの、ワイドボディ機に類するB787-8は、エコノミークラスでも機内は広々としている。頭上コンパートメントは、結構容量があるのに張り出していないため、開放感がある。座席の並びは3-3-3。往復ともにほぼ満席の状態だ。なるほど、だから増便なのだなと納得する。

収納容量も大きい頭上コンパートメント。787の窓には色(透明度)が変わる「スマートウィンドウ」を搭載し、配色豊かなLED照明で虹のような演出も可能

ビールはポーランド産をチョイス

成田を出発して安定飛行に入り、1回目の食事の前のドリンクサービスが始まった。ここは迷わずポーランドのビールを注文。ポーランド人のCAさんがにっこり笑顔で手渡してくれる。が、ここで思わぬカップの差し方に驚かされた。プルタブにぷすっとカップのふちがささっている。斬新だ。

まさかのプレゼンテーション! なんかいい感じ

ちなみに、ビールの銘柄は「Zywiec(ジヴィエツ)」。ポーランドではあちこちで地ビールにお目にかかるが、このジヴィエツは「Tyskie(ティスキエ)」と並んでレストランなどどこでも必ずといっていいほど見かける、代表的なポーランドビールだ。飲み口はすっきりとしたピルスナータイプなので、日本人の口にも合う。

野菜のおいしさに気づく

1回目の食事を「チキン」「フィッシュ」の中から「チキン」を選んだところ、メインは竜田揚げ風の唐揚げだった。ご飯が少なめで、その分、野菜が多く感じた。ここにパンも付いてくるわけだし、糖質制限をしている人にとっても大量に食べ物を残さずに済むから、こういうのはうれしいものだ。

エコノミークラスで提供された1回目の食事

などと思っていたら、2回目の食事は炭水化物祭りだった。「チキン」「パスタ」の中で「パスタ」をチョイスしたら、こちらは完全なベジタリアンだと言う。なるほど、肉や魚は一切入っていない。が、トマトソースで和えたパスタの上にホワイトソースで和えたホウレンソウ、そして、日本そばとパンという取り合わせだ。

エコノミークラスで提供された2回目の食事。1回目の食事のアミューズの部分が日本そばになっていて、炭水化物祭りに

サラダもついているが、圧倒的な炭水化物の量の前にサラダがこぢんまりとして見える。とは言え、サラダのドレッシングが1回目の食事と2回目では味が違うところに、細やかな気配りが感じられた。野菜っておいしい。

さすがポーランド! な音楽チョイス

機内のお楽しみのひとつ、エンターテイメントシステムもなかなか充実している。日本語のチョイスもあり、日本の映画も少ないながら入っているが、さすがにワルシャワの空港が「ワルシャワ・フレデリック・ショパン空港」というだけあって、音楽、特にクラシック音楽のチョイスが多いのが印象的だ。

音楽のラインナップはショパンを始め、多くのクラシック音楽。エンターテイメントがハイソな感

音楽好きならずっと聴き入っていても飽きないほどの量なので、本を読みながら音楽を、といった過ごし方もオススメだ。ショパンのメロディはかなりの癒やし系なので、途中でうっかり眠りこんでしまうのもうれしい効果ではないだろうか。

味の素ポーランドのあの商品も!?

ところで、機内サービスでちょっといいな、とほっこりしたのが、スナックに出てくるチョコレートバー。「プリンス・ポロ」というこのバー、食事と食事の間のスナックタイムにもギャレー内のワゴンの上にてんこ盛りにされていて、食べ放題状態となっている。

ポーランドに行ったらどこでも見かけるプリンス・ポロ。キットカットよりも軽い食感のチョコレートコーティングしたウエハース

ドリンクをもらいにギャレーに立ち寄ったら、「これおいしいのよ」と4本もCAさんに持たされるくらい(大阪のおばちゃんの、あめちゃんのノリだ)、ポーランド人きってのオススメ商品であるらしい。実際、ポーランドのスーパーでもサイズ違いで大量に売られていた。ポーランド土産にもなる逸品である。これはポーランドの国際線でも国内線でもしょっちゅう見かけるスナックなのだ。

また、帰国便でお目にかかったヌードルスープは、その名も「親方ラーメン」。これ、ちょっと調べてみたところ、味の素ポーランドが主にヨーロッパで展開している商品のもよう。当然、日本では購入不可だ。

機内には味噌味と塩味が積まれており、ギャレーに行って好きな方をとってCAさんにお湯を入れてもらう。塩味はチキンベースと書いてあったが、人気があるようですぐになくなってしまった。仕方なく、というわけではないが味噌味にする。

これが「親方ラーメン」。味噌味がほっと落ち着く、帰国便ではぜひ食べたいお味。次は塩味にトライしたい

お湯を入れてもらい、席に戻っていただくことに。ふと気づくと、ギャレー内で座り込んでCAさんと話し込んでいる人が何人もいる。お湯を入れてもらったラーメンをその場で食べている人もいて、そこには和気あいあいとした雰囲気が漂っている。ギャレー内が人でいっぱい、というところからもLOTのクルーのフレンドリーさがうかがえた。

実際、ヌードルスープだけをもらいに行ったつもりだったのに、またもプリンス・ポロを2本、「デザートに」と持たされた。「好きだ、LOTポーランド航空! 」と思った瞬間であったことは言うまでもない。