先輩母さんから教わった、「具沢山の炊き込みごはん」

赤ちゃんを連れて電車に乗ると、見知らぬ人との小さなコミュニケーションが急に増える。

アウアウ手足をばたつかせる娘を見て「チョーかわいいんだけど」とキャッキャする下校中の女子高生、「バブちゃんいないいないばあ!」とお姉さんしてくれる幼稚園児、「よかったらどうぞ」と席を譲ってくれる若い男性。こちらは娘がいつ泣きだしてまわりに迷惑かけないかドキドキしているだけに、そういう言動に触れると心底ほっとする。

特にご年配の女性は「あらあら?、いくつなの?」からはじまり、寝ていれば「ちゃんとねんねしていてえらいわ」、起きていれば「いいお顔してるね」と手放しでほめてくれる。時にはピュアな赤ちゃんパワーが語らせるのか、「実はお嫁さんとうまくいってなくて……」とか、「娘が離婚して戻ってきたから私が孫を育てたんだけど、思春期が難しくて……」とか、ディープな相談をされたことも何度か(人生の大先輩にアドバイスなんてできないので、もちろん聞くのみ)。

自分が孫を育てたという方は、「忙しくてごはんを作る余裕がないときは、具材たっぷりの炊き込みごはんがいいわよ」と最後にアドバイスしてくれたっけ。