ダイキン工業はこのほど、「夏の寝室でのエアコンの使い方」についての調査結果を明らかにした。同調査は6月、関東と関西(※)在住の20~79歳の男女1,000名を対象にインターネットで実施したもの。
夏の夜の睡眠時、エアコンを使用しても暑くてなかなか寝つけないことがあるか聞いたところ、17.1%が「ある」、46.0%が「時々ある」と回答した。暑くて夜中に起きてしまうことがあるかという設問には、14.2%が「ある」、47.0%が「時々ある」と答えている。暑いため寝つきも悪く、夜中に起きてしまう人が6割以上いることがわかった。
夏場に寝るときにどのようにエアコンを使っているか聞くと「一晩中朝までつけっぱなし派」(23.5%)よりも、「タイマー(切り/入り)派」(53.1%)が多かった。
「一晩中つけっぱなし派」と「タイマー派」のそれぞれのエアコンの使い方で、「暑くて寝苦しい」経験をした人がどれぐらいいるかを検証した。すると、どのエアコンの使い方でも過半数以上が「暑くて寝苦しい」経験をしていることがわかった。
特にタイマー派では、65.9%が「暑くてなかなか寝つけない」、64.0%が「暑くて夜中に起きてしまう」と回答しており、エアコンを使用していても快眠には結びついていないという結果になった。
エアコンの使用によって翌日に体調が悪くなったり、体がだるくなったりした経験があるか聞くと、50.0%が「ある」と回答した。室温が低下しすぎたり、エアコンの冷たい風が体に当たったりすることで、体全体や体の一部が冷えてしまったことが原因と考えられるという。
奈良女子大学の久保博子教授によると、深く快適な睡眠を取るためには、入眠直後に深い眠りに入ることが重要とのこと。入眠時に体温が大きく速やかに下降すると寝つきがよくなるため、人は入眠時に手足を熱くして熱を発散したり、汗をかいて気化熱で熱を下げようとしている。そのため、入眠直後は寝ている間で最も発汗量が多いとのこと。
しかし、夏場は湿度が非常に高くなり、室内でも時には80%ぐらいになることもあるという。「こうなると、汗がなかなか乾かず、不快感とともに体温調整もうまくいかず寝つきが悪くなるということにつながります。不快に感じないよう湿度を50%程度より低くするのがよいでしょう」(久保教授)
また、室温が低すぎると血管が収縮して放熱できず、逆に眠りを妨げてしまう。薄い半袖半ズボンなどの寝衣とタオルケット程度の少ない寝具では、26℃~28℃ぐらいの温度が快眠につながるとのこと。ただし、28℃ぐらいであると、湿度が高いと快適な睡眠を損なう恐れがあるため、室温とともに湿度のコントロールも大切であるとしている。
※関東(東京、神奈川、千葉、埼玉)、関西(大阪、京都、兵庫、滋賀、奈良)