ファーウェイ・ジャパンが発表したノートPCの新製品「MateBook X」「MateBook E」。同社が昨年(2016年)7月に発表した「MateBook」に続く2世代目のPC製品となり、従来の2in1タイプの後継機種であるMateBook Eに加えて、一般的なクラムシェルタイプのMateBook Xも投入される。新製品の狙いや販売戦略について、デバイス部門で日本と韓国を統括する呉波(ゴ・ハ)氏に話を聞いた。
キーボードカバーと併用する2in1モデルだった初代MateBookは、薄型軽量ボディに12インチの2Kディスプレイ、指紋センサーといった特徴を備えており、ファーウェイ初のWindows PCとして一定のシェアを獲得した。具体的な数字は示されなかったが、呉波氏は「グローバルでは予想以上、日本では想定通りの数字だった」という。
順調な販売状況を受けて「自信を持った」(呉波氏)結果、投入されるのが今回の新モデル。グローバルでは15.6インチディスプレイに外部GPUを搭載する「MateBook D」もあり、日本では「投入にふさわしいタイミングを考えている」(呉波氏)そうだ。
PC市場は縮小傾向にあり、そのなかで唯一、2in1やUltrabookジャンルは伸びている。今回の2製品はここに向けた製品だが、そもそもファーウェイがPCを投入したのは、「スマートデバイスのラインナップを構成するため」と呉波氏は話す。スマートフォン、タブレット、PC、ウェアラブルというスマートデバイスにおいて、ファーウェイのラインナップにはPCが欠けていたため、ラインナップを完成させるために投入されたのがMateBookだ。
呉波氏は、このスマートデバイスのラインナップにおいて、一貫したUIやユーザー体験を提供することを狙っているという。例えば、MateBook Xが持つ指紋センサーが一体となった電源ボタンは、スマートフォンと同様の使い勝手を実現するし、スマートフォンのように狭額縁で一定のディスプレイサイズを確保しながらコンパクト化を図ったのも同じ考え方だ。
「従来のPCはスマートフォンのような狭額縁は実現できていなかった」(呉波氏)ため、ディスプレイメーカーと一緒にイノベーションに取り組んだと呉波氏は強調。「ハードウェア面でユーザー体験の一体感を実現できるようにした」(呉波氏)としている。
ほかにも、Kaby Lake世代のIntel Core i7-7200Uを搭載しながらファンレスを実現したことで、従来にはない薄型軽量を可能にするなど、さまざまな技術を投入。
「複雑ではないし、とてつもない発明というわけではないが、スマートフォンで培った経験と技術の蓄積の成果と、消費者の声を積極的に取り入れたから実現できた」と呉波氏はアピールする。今後も「ハードウェア、ソフトウェアのどちらでも、ユーザー体験を高めていけるように取り組んでいきたい」(呉波氏)とした。