ヴェリテはこのほど、運営するのざき鍼灸治療院にて若者世代を中心に、首の筋肉のこりを原因とする腕のしびれが最近増加していることを明らかにした。
同院の野崎院長は「腕のしびれにより、勉強に集中できなかったり、パソコンが辛く仕事ができなかったりといった相談が増えている」と語る。高齢者が受けるイメージが強い鍼治療だが、2016年には50名の若者が来院したという。
野崎院長は、そのしびれはスマートフォン(以下スマホ)の長時間利用によるものではないかと考えている。スマホの普及率は年々増加し、20代・30代の世代では90%を超えると言われている。便利で日常生活に欠かせないアイテムとなりつつあるが、首を下へ向け続けるという無理な姿勢を長時間行っていると、体にさまざまな問題が生じるとのこと。
野崎院長は、首の側面には「斜角筋」という筋肉が存在すると説明。スマホを宙に浮かせ支える姿勢が、その筋肉を持続的に収縮させるために緊張し、やがて硬くしこりのようになるとのこと。その筋肉の硬さ・しこりはトリガーポイントと呼ばれるが、首の斜角筋に形成されたトリガーポイントは、関連痛として腕にしびれを生じさせることがあり、それがしびれの原因になるとしている。
野崎院長はそのような症状を「スマホしびれ」と名づけ、治療に当たっている。ひどくなると、手に力が入らなかったり、首が回らなくなったりすることもあり、仕事や勉強が手につかず、うつになる人もいるという。
重症化すると怖い「スマホしびれ」だが、いきなり起きるわけではなく、前ぶれとなる症状が存在する。「首を左右に倒したときに顕著につっぱり感が生じる」「左右を向いたときに片側に向きにくい」「腕がだるい・冷える」「首の前側や側面にこりを感じる」などが前兆となる症状であると解説している。
「現在、このような症状を感じるうえに長時間のスマートフォンやタブレット、PCなどを使用する人は"スマホしびれ"の予備軍といえます」と野崎院長。対処法としては「スマートフォンやパソコンなどを使用する際には脇を開かないようにする」「腕を宙に浮かさないよう肘や手首の置き所を作る」などが有効とのこと。
また、「熱いシャワーを首の側面に当てる」「首を左右に倒すストレッチをする」ことも効果的だという。一度強い症状が出てしまうと日常生活にも支障が出るだけでなく、治療に時間がかかるため、予防が大切であるとのこと。