阪急電鉄は3日、2021年春の竣工をめざして建替工事を進めている神戸阪急ビル東館(兵庫県神戸市)の既存建物の解体工事が完了し、新築工事に着手したと発表した。

神戸阪急ビル東館完成イメージ

阪神・淡路大震災で被災し解体されるまで存在した旧神戸阪急ビル東館(1936年当時)

計画によれば、新しいビルは地上29階、地下3階建てで高さ120mとのこと。地下2階から地上3階まで商業施設や駅コンコース、地下鉄への連絡通路などに使用。4~15階はオフィス、17~28階はホテル、29階は展望フロアやレストランとなる。地下3階と16階は機械室。新しいビルの東側に大きなアーチ状の窓と円筒形の立面を配し、1995年1月の阪神・淡路大震災で被災し解体された旧神戸阪急ビル東館のイメージを継承する。

新築工事は、阪急神戸三宮駅とJR三ノ宮駅・地下鉄三宮駅などとの乗換えにあたって利用者の安全な動線を確保するため、工期を2段階に分けて行う。まず、2018年秋頃までを第1段階として東側部分の新築工事を実施。この期間は現状の乗換動線を維持する。続いて2018年秋頃から2021年春にかけて第2段階の工事に進み、西側部分の解体工事と新築工事、高層部の工事を行う。この期間中の乗換えは、第1段階で施工した地下への動線を先行使用する形で確保する。

阪急神戸三宮駅東改札口と神戸市営地下鉄三宮駅東改札口間の乗換え動線となるエスカレーターはこれまで上りのみだったが、新築工事にともない下りエスカレーターも整備する。阪急の改札階(2階)・地上階・地下鉄の改札階を結ぶバリアフリー対応のエレベーターも新設し、乗換え利便性の向上を図る。1階部分から2階部分にかけて設けている吹き抜け空間も拡大し、改札外コンコースをより開放的な空間にする。

また、新しいビルの竣工までに、阪急神戸三宮駅高架下の店舗リニューアルと同駅の西改札口付近の美装工事もあわせて実施する。