IT専門調査会社のIDC Japanはこのほど、2021年までの世界、および国内のウェアラブルデバイス出荷台数予測を発表した。

IDCが発行した調査データ「Worldwide Quarterly Wearable Device Tracker」の予測によると、世界における2017年のウェアラブルデバイス出荷台数は1億2,550万台、2021年には2億4,010万台に成長する見込みだ。

現在、ウェアラブルデバイスで最も出荷台数が多いのは腕時計型のデバイス、次いでリストバンド型、この2つのデバイスでウェアラブルデバイスの市場シェアを9割以上占めている。日本においても同様の傾向が見られる。日本における2017年のウェアラブルデバイス出荷台数は約94万台で、同社の予測によると2021年には135万台になるという。

2017年および2021年の世界ウェアラブルデバイス出荷台数予測(タイプ別、単位:百万台)

2017年および2021年の国内ウェアラブルデバイス出荷台数予測(タイプ別、単位:千台)

IDCでは、腕時計型デバイスが今後もウェアラブルデバイス市場を牽引するとしている。現在はサードパーティ製アプリを実行できない「ベーシック型」が中心だが、2019年以降は、Apple Watchをはじめとするスマートウォッチと携帯電話の接続がより一般化し、市場の拡大を後押しすると推測する。

一方でリストバンド型はこれまで市場をけん引したものの、成長は鈍化。しかしながら、十分な機能を備えた低コスト製品が登場することで、これからも市場の形成を続けていくものとみている。加えて、高機能化を求めるユーザーは、リストバンド型から腕時計型へとシフトしていくとの考えを示した。

同社はそのほか靴・衣類型の「スマート衣類」市場について、「消費者は今のところネットワークやスマートフォンに接続された衣類を完全に受け入れているわけではない」としつつも、GoogleとLevi'sが共同で開発を行っている、衣服に内蔵したセンサーでデバイスを操作できる「Project Jacquared」対応ジャケットといった製品の登場は、マーケットを大きく変えようとしているとした。