SUBARU(スバル)の主力SUV「XV」の販売が好調だ。5月24日のフルモデルチェンジ以来、1カ月で受注台数は1万1085台に到達。スバル車以外からの乗り換えが6割に迫るなど、その受注内容はXVが幅広い層に受けていることを示している。
XVは都会的なスタイルとスバルらしい安全性能を備えた同社の主力SUV。デザインは街で映えつつ、自然の中でも風景と調和する「スポカジスタイル」を取り入れ、走行性能の部分ではスバルの新プラットフォーム「SUBARU GLOBAL PLATFORM」を採用し、操舵応答性と操縦安定性を高めてある。
月間販売目標2200台に対し、発売後1カ月で1万1000台超の受注を獲得した新型XV。スバル広報に聞くと、安全性能に対する評価の高さが好調の理由のようだ。XVではスバル独自の運転支援システム「アイサイト(Ver.3)」と歩行者保護エアバッグが全車標準装備となっているが、その部分が売れ行きにも好影響を及ぼしているらしい。
売れ筋は最も高価格なグレード
次に受注内容を詳しく見ていくと、グレード別の内訳で、最も多く売れているのは2.0リッター直噴エンジンを搭載する「2.0i-S EyeSight」の4719台だ。XVは1.6リッターと2.0リッターの2つのパワーユニットを用意しているが、このクルマの中では最も価格の高いグレードが売れ筋となっている。
新型XVの新車発表会でスバルは、先代では2.0リッターモデルのみだったXVに1.6リッターモデルを追加した理由について、「ユーザー層を少し広げたいから」(細谷和男専務)と説明していた。受注の内訳は2.0リッターモデルが約8割と大半を占めるが、排気量を下げた新モデルの追加により、ユーザー層が広がったのは確かなようだ。
約6割がスバル車以外からの乗り換え
購入者の性別は男性84%、女性16%。ずいぶんと男性が多い印象だが、スバル車全体の平均と比べるとXV購入者の女性比率は高いという。世代別に見ると、最も割合が高いのは50代の23%で、最も低いのは70代以上の8%だった。コンパクトSUVとして、XVは若い顧客を獲得するという使命を帯びているが、購入者の割合でいうと20代が12%、30代が15%で、これはまずまずの結果といえそうだ。
受注内容で注目すべきは、どういう顧客がXVを選んだかという部分だ。XVを買った顧客のうち、約6割がスバル車以外からの乗り換えだったという事実は特筆すべきだろう。ちなみに、2016年に発売となった「インプレッサ」は、発売後1カ月間の内訳でスバル車以外からの乗り換えが51%だった。ユーザー層の拡大を狙ったXVだが、他社からの乗り換えが6割に迫るという結果を見ると、現時点ではスバルの狙い通りに売れているようだ。