SIMフリー市場で存在感を高めつつあるモトローラ・モビリティ。同社が昨年から力を入れているのが、プレミアムモデルの「Moto Z」シリーズと、その背面に装着してさまざまな機能を拡張できるモジュール「Moto Mods」だ。モトローラのMoto Mods普及に向けた取り組みと、その課題を追ってみよう。

先進性を重視するモトローラにとって重要なプロダクト

レノボ傘下の米モトローラ・モビリティが、日本のSIMフリースマートフォン市場に本格参入したのは昨年のこと。だがそれ以降、SIMフリー市場で急速に販売を拡大し、人気を高めているようだ。

モトローラが人気を獲得した要因は、先進的な取り組みに積極的なことが挙げられる。実際、昨年の本格参入時に投入した「Moto G4 Plus」は、性能こそハイエンドモデルと比べれば劣るものの、SIMを2枚挿入し、3Gと4Gの同時待ち受けができる「デュアルSIM・デュアルスタンバイ」(DSDS)に国内で初めて対応したことが話題となり、スマートフォンの先進層から支持を得て人気を獲得。その後SIMフリースマートフォンメーカー各社が、DSDS対応スマートフォンを相次いで投入してきたことからも、Moto G4 Plusが与えた影響の大きさが理解できるだろう。

そしてモトローラが、より先進的な取り組みとして現在力を入れているのが「Moto Mods」である。これは、同社のプレミアムモデル「Moto Z」シリーズ用の周辺機器。といっても通常の周辺機器とは異なり、Moto Zシリーズのスマートフォンの背面に貼り付けてさまざまな機能を拡張できる、拡張モジュールというべきものだ。スマートフォンの電源を入れた状態でもつけ外しが可能なことから、必要な機能を必要な時に拡張できるのが大きなポイントとなっている。

日本でも昨年からMoto ZシリーズのスマートフォンがSIMフリー市場向けに投入されていることから、既にいくつかのMoto Modsが日本で販売されている。代表的なものを挙げると、スマートフォンをプロジェクターにする「Moto Insta-Share Projector」や、光学10倍ズームが可能なカメラモジュール「Hasselblad True Zoom」、大迫力のサウンドが楽しめるスピーカーモジュール「JBL SoundBoost」などがある。

Moto Zシリーズの背面に貼り付けることで機能を拡張できるMoto Mods。必要な機能を必要に応じて拡張し、不要な時に外して置けるのが特徴だ

ちなみにモトローラによると、海外ではバッテリー駆動時間を延ばす大容量バッテリーや、スピーカーのMoto Modsなどが人気だそうだが、日本ではカメラのMoto Modsの人気が非常に高いとのこと。Moto Zシリーズは安価な「Moto Z Play」でも5万円台と、SIMフリースマートフォンの中では高額なことから、比較的先進的なユーザーが購入しているという影響もあるだろうが、国によって人気のMoto Modsに違いがあるのは面白い。