朝に起きて目覚めのために一杯、ランチ後のブレイク時に一杯、そして残業時のお供としての一杯――。毎日の生活でコーヒーを楽しむ時間やシーンは人によってそれぞれだ。だが先般、「私たちがコーヒーを飲むのに"最適"な時間」を見つけ出した研究が発表された。
海外のさまざまなニュースを伝える「MailOnline」にこのほど、「コーヒーを飲む最適の時間」に関するコラムが掲載されたのでその内容を紹介しよう。
コーヒーの効能を引き出すのに最適の時間があるというのをご存じだろうか。シドニーで活動する栄養士のリンディ・コーエン氏は、午前10時から正午までにコーヒーを飲むのが最適だと言い、運動の30分前に飲むことも推奨している。
モーニングコーヒーを飲む人も多いだろうが、それはあまり好ましくない習慣だと同氏は話す。
「カフェインは体内でのコルチゾール生成に影響を与えます。寝覚めはコルチゾール値がピークに達しているのですが、起きてすぐにコーヒーを飲むと体内で生成されるコルチゾールが少なくなり、元気を出すためにカフェインに依存することになります」
朝の一杯は私たちを「コーヒー依存体質」にさせ、「寝覚めにコーヒーを飲む必要がある」と感じさせるようになるかもしれないという。そのため、同氏はコルチゾール値が下がって落ち着く午前10時から正午までの間にコーヒーを飲むのがよいとの見解を示している。
一方で午後はハーブティーやカフェイン抜きのコーヒーを飲むのがよいとのこと。そして、どんなに遅くても就寝の6時間以上前までにコーヒーを飲み終え、それ以降は飲まない方がよいとしている。ちなみに、同氏は「一日の最後のコーヒータイム」を午後2時にするよう推奨している。
また、運動の前にコーヒーを飲むとプラスの効果があるという。「運動前のコーヒーによって、より重いウェイトを持ち上げることができ、その回数も増え、速く走れるようになります。運動前にカフェインを摂取すると、パフォーマンスとエネルギーレベルを改善できると多くの研究が示唆しています」とコーエン氏は語る。
コーヒーは血流にすぐに吸収されるため、運動の30分前にコーヒーを飲むのがよいという。そのほかにも、カフェイン摂取で新陳代謝が3~11%向上し、脂肪燃焼に役に立つということも判明している。
最適な時間とともに最適な量も知っておく必要があるだろう。同氏は一日に400mgを超えるカフェイン摂取量(自宅のカップなら4杯分が目安)は慎んだ方がよいとするが、この許容量には個人差があるため、自身の限界をきちんと把握しておく必要性があると指摘している。
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記事監修: 杉田米行(すぎたよねゆき)
米国ウィスコンシン大学マディソン校大学院歴史学研究科修了(Ph.D.)。現在は大阪大学大学院言語文化研究科教授として教鞭を執る。専門分野は国際関係と日米医療保険制度。