マカフィーは27日、2017年第1四半期の脅威動向と、同社が注目するセキュリティインシデント3点について解説した。冒頭、同社セールスエンジニアリング本部 本部長の櫻井秀光氏が今年第1四半期の脅威動向について説明。新種のマルウェアを3カ月間で3,200万件検知しており、毎秒4種見つかっている計算になるという。

特にマルウェアキャンペーンのような動きではないものの、この3年間「(検知数が)2四半期減少ののち、3四半期増大する」という傾向になっていることから、来期も検知数は伸びるだろうと説明していた。モバイルマルウェアに関してはAPAC(アジア太平洋)地域で2倍に増加しているが、これはインドで「プレミアムSMS」(コンテンツ利用料などを課金できるSMS)を使った攻撃が多かったためと分析している。

マカフィー セールスエンジニアリング本部 本部長の櫻井秀光氏

マルウェアは前期比35.2%の増加。過去三年「2期下がって3期上がる」の傾向を示しているので、来期も検知数が増えるという

Androidを標的としたランサムウェアが増加

Mac OSを攻撃するマルウェアは前期よりは減少しているが、前年同期比の10倍と大きく伸びており「Mac OSは安全という神話は過去のものと考えた方がよい」という。またランサムウェアはAndroidプラットフォームを標的としたCongur系マルウェアが主要因となり、前期比80%増と引き続き注意する必要があるという。

マクロウイルスに関しては、2016年に特定のボットが使っていたために急増したが、この活動が終了したので減少傾向にあるとした。

Mac OSのマルウェアは昨年比で言えば10倍と急増。WindowsよりもAdware(広告を出す迷惑なプログラム)の比率が多いのが特徴だそうだ。OSシェアよりもまだ低いため、今後も増えると予想している

ランサムウェアは前期比より80%増。一般人や会社組織も狙うランサムウェアに関しては対策が必須であるという

昨年急増したマルウェアは過去3年と同程度に落ち着いたものの、攻撃手法としてはまだ現役と注意を促していた