エイビーロード・リサーチ・センターはこのほど、2015年に海外渡航をした18歳以上の男女を対象に、国際線エアラインの満足度調査を実施。JALが2007年調査開始以来、初めての1位を獲得し、2位は前年に続いてANA、3位は前年4位のニュージーランド航空となり、 前年まで5年連続で総合満足度1位だったシンガポール航空は4位となった。

「総合満足度」TOP20

調査は4月14日~17日にかけて、インテージ・ネットモニター(全国)より抽出した「18歳以上の2016年の海外渡航経験者(日本人・出発月が2016年である海外渡航)」7,170人(調査集計数は4,000人)に行った。なお、航空会社は40社を対象としている。

調査対象航空会社一覧(★は前回調査では調査対象外の航空会社、●はLCC。前回調査対象であった、スリランカ航空、トランスアジア航空、マレーシア航空、エティハド航空、オーストリア航空は本年度調査対象外)

「総合満足度」はJAL(4.16ポイント)が前年4位から3ランクアップし、2007年の調査開始以来初の1位を獲得した。2位はANA(4.15ポイント)、3位はニュージーランド航空(4.12ポイント)と続き、前年まで1位だったシンガポール航空(4.05ポイント)は4位となった。ほか、ベスト10圏内では5位にカタール航空(3.97ポイント)が前年10位から5ランクアップ、7位にフィンランド航空(フィンエアー)が前年14位から7ランクアップした。なお、LCCでは唯一、タイガーエア台湾が19位にランクインしている。

1位のJALに関しては、「乗務員の機内サービス、搭乗手続きなどとても親切、スムーズで満足しました」(60代以上・男性)、「無料で快適な機内エンターテインメントと食事を楽しめたし、不自由なことがなかったから」(30代・女性)等とコメントが寄せられている。2位のANAには「食事がおいしいし、接客が良い」(50代・男性)、3位のニュージーランド航空には「無料で楽しめるエンターテインメントの種類が豊富で、日本人が日本語で楽しめるツールが充実しているため」(40代・男性)等という声があった。

「航空機の機材、設備」TOP10

「航空機の機材、設備」では、ニュージーランド航空が初めての1位となり、2位はJALで前年から4ランクアップで過去最高順位に、3位はエミレーツ航空がランクインした。1位のニュージーランド航空には「エンターテインメント設備が充実(モニター画面の大きさ、映像・音声コンテンツの豊富さ)」(50代・男性)、2位のJALには「・プレミアムエコノミーのシートはシートピッチが十分にあり、隣の人をまたいで通路に出ることもその人に立ってもらわなくとも容易にできる」(60代以上・男性)、3位のエミレーツ航空には「機内が清潔でトイレも使い勝手がよかった」(60代以上・男性)等とコメントが寄せられている。

「客室乗務員の接客サービス」TOP10

「客室乗務員の接客サービス」では、JALが2年ぶりの1位となり、2位にはニュージーランド航空、3位にはANAがランクイン。1位のJALには「乗務員がテキパキ動き、細かいところにも気を遣っていた」(60代以上・男性)、2位のニュージーランド航空には「機内アナウンスの正確さ、丁寧さ、気遣いの度合い、どれをとっても一流でした」(40代・男性)、3位のANAには「 1歳の息子を連れていたので、乗務員さんがとても気にかけてくれていた」(30代・女性)等とコメントは寄せられている。

「空港内の航空会社職員の接客サービス」TOP10

「空港内の航空会社職員の接客サービス」では、JALが4年ぶりの1位となり、2位にANA、3位にシンガポール航空が続いた。1位のJALには「チェックインカウンターの対応が早くて丁寧」(40代・男性)、2位のANAには「チェックイン混雑時の誘導などの対応がしっかりしていると思う」(30代・男性)、3位のシンガポール航空には「電子チェックインでスムーズに進めた」(50代・男性)等とコメントが寄せられていた。

「機内飲食サービス」TOP10(LCCでは機内飲食サービスを利用していない人がいるため、利用者が80サンプル未満であった、エアアジアX、ジェットスター・アジア航空、タイガーエア台湾、チェジュ航空、ジェットスター航空、バニラ・エア、ピーチ・アビエーションは、ランキングと満足度ポイントの算出から除外)

「機内飲食サービス」では、エミレーツ航空が6年ぶりに1位となった。2位にはニュージーランド航空が、3位にはシンガポール航空が選ばれた。1位のエミレーツ航空には「 食事の質や味がとてもよかった。ワインがとてもすばらしかった」(60代以上・男性)、2位のニュージーランド航空には「機内食がおいしかった。また、軽食で出てきたものもおいしくてすぐに食べきってしまった」(30代・女性)、3位のシンガポール航空には「ご飯がおいしかったのと、お菓子が充実していた」(30代・女性)等とコメントが寄せられている。

「機内エンターテインメント」TOP10(LCCでは機内エンターテインメントを利用していない人がいるため、利用者が80サンプル未満であった、タイガーエア台湾、チェジュ航空、バニラ・エア、ピーチ・アビエーションは、ランキングと満足度ポイントの算出から除外)

「機内エンターテインメント」は、1位は4年連続でエミレーツ航空となり、2位にはニュージーランド航空、3位にはJALが続いた。エミレーツ航空の満足理由は、「映画・テレビのチャンネル数」が70.8%、次いで「映画・テレビのプログラム内容」(52.8%)となっている。

1位のエミレーツ航空には「日本の映画・ミュージックもあり、楽しく過ごせた」(50代・女性)、2位のニュージーランド航空には「長旅でやることもなかったので、ゲームで時間をつぶせて楽しかったです。種類が多いのも飽きずに過ごせた理由だと思います」(30代・女性)、3位のJALには「日本未公開の映画があるのがうれしい」(50代・女性)等と声があった。

「コストパフォーマンス」TOP10

コストパフォーマンスが高い航空会社ランキングでは、1位はタイガーエア台湾、2位はターキッシュ エアラインズ、3位はカタール航空となった。タイガーエア台湾の満足理由は、「航空券代」が突出して高く93.7%を占めた。

1位のタイガーエア台湾には「料金も安く、乗客に対する対応もしっかりできている」(40代・男性)、2位のターキッシュ エアラインズには「機材も新しく、乗務員も親切で、機内では快適な時間を過ごすことができた」(50代・男性)、3位のカタール航空には「遅延しない、正確なフライト、十分な機内サービス、CAの身だしなみ、サービスもスマート」(50代・女性)等とコメントが寄せられた。