LCCのバニラ・エアは6月23日、6月18日の同社JW304便(香港発成田行き、乗客168人、幼児旅客1人)において乗客駐機場送迎バスで国内線到着口に誤誘導し、19日に国土交通省航空局長より厳重注意を受けた件について、国土交通省航空局長に報告書を提出した。また6月20日より、対策を実行している。
同件は18日、JW304便の成田空港到着時のランプバスによる到着口への案内時に、全3台のうち1台が誤って国内線到着ロビーに乗客を案内する事象が発生。これにより、10人の乗客が入国手続き未了のまま入国することとなった。6月23日9時点における乗客の入国手続きの進捗状況について、入国手続きが未了となっていた乗客10人(日本国籍9人、外国籍1人)の内、9人が手続きを完了し、残る1人6月24日に手続きを完了する予定となっている。
同件の発生原因のひとつは、バス運転手と同社到着バス担当による配車内容の確認について、1台目のバス運転者とは直接行っていたが、2台目以降のバス運転者に対して、同社到着バス担当からの直接の確認ができていなかったことに起因している同社は報告している。この再発防止策として、同社国際線到着バス担当を機側まで派遣し、全てのバス運転手と配車内容の確認を行うとしている。また、バスに表示されている「内際別表示プレート」(国内線と国際線のどちらであるか分かる表示プレート)が正しい表示になっているかを、バス運転手と同社国際線到着バス担当とで機側にて相互確認する。この対策は、6月23日より開始している。
また、バス到着口に到着する前に、バス運転手とバス配車担当者間で内際区分に関する無線による相互確認を行うことになっているが、該当便ではバス運転手の誤った確認内容に対し、バス配車担当が気づいていなかったという。これに対しては6月21日より、無線確認の回数を現行の到着口到着前に行う1回から機側を出発する際も行うことで、2回の確認を行う対策をしている。また、バス配車担当者とバス運転手の無線交信の内容を、バス配車サブ担当者が確認することとした。
国内線バス到着口に誤って国際線バスが来た場合、誤りを確認し、乗客降車を防止する仕組みがなされていなかった件に関しては、国内線バス到着口に配置している警備員(NAA社(成田国際空港)が配置)が、到着バスの「内際別表示プレート」を確認し、万一、国際線表示のバスが誤って国内線バス到着口に到着した場合、バス運転手に対して乗客の降車を行わないよう指示し、国際線バス到着口に向かうよう指示する。複数のバスが同時に到着する場合は、1台ずつ確認する。この対策は6月20日より開始し、25日までは同社係員が実施するとしている。
また、乗客からの申告を受けるまで、国際線で到着した乗客が誤って国内線バス到着口で降車したこと把握できていなかった件に関しては、6月26日より国際線バス到着口に同社到着口担当を新たに配置し、配車した全てのバスが国際線バス到着口に到着したことを確認するとしている。
同社は引き続き、関係各所と連携を取り、対応をしていくとしている。