"起業"が珍しくない世の中になった。会社を辞めて店舗を経営したい――。そんな夢を思い描いたことがある人も、少なくないのではないだろうか。そこで、マイナビニュース会員に聞いてみた。
まず、現在勤めている会社を辞め、起業(独立、開業、フランチャイズなど)したいと考えたことはあるか聞いた。結果は「はい」と回答した人は50.5%(154人)、「いいえ」と回答した人は49.5%(151人)とほぼ半分に分かれた。
続いて「はい」と回答した人は、どのような起業を考えているか聞いた。ここからは、寄せられた回答で多かったものやユニークなものを筆者の独断で紹介していこう。
どのような起業を考えているか
- 「カフェを開きたい」(29歳男性 / 京都府 / 既婚 / その他 / 技能工・運輸・設備関連)
- 「日本茶カフェ」(55歳女性 / 埼玉県 / 既婚 / フードビジネス / その他・専業主婦等)
- 「自分のジムを開きたい」(36歳男性 / 東京都 / 未婚 / 官公庁 / 公共サービス関連)
- 「猫グッズの店」(49歳女性 / 大阪府 / 既婚 / サービス / その他・専業主婦等)
- 「アンティークに興味があるのでショップを開いてみたい」(41歳男性 / 北海道 / 未婚 / 専門店 / 販売・サービス関連)
- 「便利屋をやりたい」(31歳男性 / 愛知県 / 未婚 / 化粧品・医薬品 / 技能工・運輸・設備関連)
- 「たこ焼き屋さんをしたいです」(49歳男性 / 広島県 / 既婚 / その他 / 技能工・運輸・設備関連)
- 「書道教室を開く」(50歳女性 / 北海道 / 既婚 / 不動産 / 営業関連)
- 「友人が会社を辞めてコンビニ経営を始めたのを見て、フランチャイズ系だったら自分も始められるかもしれないと考えたことがあります」(50歳女性 / 福島県 / 未婚 / サービス / その他・専業主婦等)
- 「友人とアプリの会社立ち上げについて話をしたことがあります。残念ながら頓挫し、今はノープランです」(33歳男性 / 神奈川県 / 既婚 / その他電気・電子関連 / メカトロ関連技術職)
- 「自分の経験と人脈を活かして、webアプリ開発会社を立ち上げたいと思いました」(45歳男性 / 長野県 / 既婚 / システムインテグレータ / IT関連技術職)
- 「小規模なパソコンスクールを開きたい」(39歳男性 / 青森県 / 未婚 / 教育 / 公共サービス関連)
- 「鉄道が好きなので、鉄道模型のジオラマや、鉄道ビデオを流しながらノンビリ喫茶店でもしたい」(50歳男性 / 千葉県 / 既婚 / 建設コンサルタント / 営業関連)
- 「ピンポイントでディープな観光ガイド」(48歳男性 / 東京都 / 未婚 / ビル管理・メンテナンス / 技能工・運輸・設備関連)
- 「不登校の児童のためのフリースクールを立ち上げたいと考えています」(56歳男性 / 東京都 / 未婚 / 教育 / 専門サービス関連)
- 「ビジネスという大げさなものではなく、自分の身の丈にあった規模で、食や人の生活に関わる、温もりのある仕事を求めている」(31歳男性 / 神奈川県 / 未婚 / その他 / その他・専業主婦等)
続いて、こんな質問を用意した。回答も一緒に紹介していこう。起業したいと答えた人に起業に向け、何か具体的な行動をとっているかも聞いた。こちらも筆者の独断で紹介していく。
起業したいと答えた人は何か具体的な行動をとっているか
- 「(アメリカのヴィンテージの洋服を揃えた古着屋の開店のため)英語の勉強」(45歳男性 / 大分県 / 未婚 / 旅行・観光 / 販売・サービス関連)
- 「この4月から、私の部署から既に2名起業しているので、手順等を聞いている」(45歳男性 / 長野県 / 既婚 / システムインテグレータ / IT関連技術職)
- 「バーを開くために貯金をしている」(32歳女性 / 大阪府 / 未婚 / その他 / その他技術職)
- 「仕事の合間にクライアントと接触した」(66歳男性 / 大阪府 / 既婚 / サービス / 事務・企画・経営関連)
- 「(ソーシャルアプリ開発のための)人脈作り」(29歳男性 / 広島県 / 未婚 / その他 / 事務・企画・経営関連)
- 「(ネット通販事業のため)どのような業種や商品がチャンスがあるか情報収集中」(53歳男性 / 埼玉県 / 既婚 / その他メーカー / 事務・企画・経営関連)
- 「(レコード屋の開業のため)NYに買い付けに行った」(36歳男性 / 新潟県 / 未婚 / 専門商社 / 営業関連)
- 「事業資金を確保するためにFXなどの資産運用を昔から行っています」(49歳男性 / 富山県 / 既婚 / その他 / 技能工・運輸・設備関連)
- 「(飲食店の開業のため)一人ではとても無理なので、ネットワークをもっている友人を頼りに今は信用とお金を貯めている」(45歳男性 / 神奈川県 / 未婚 / 海運・鉄道・空輸・陸運 / 技能工・運輸・設備関連)
総評
305人のうち、2人に1人が「現在勤めている会社を辞めて起業したい」と考えたことがあると回答した。中でも25人が、カフェ・喫茶店を開きたいと回答。ラーメン屋などの飲食店、雑貨屋、アプリの開発、コンビニの経営がこれに続いている。データを見ると、年齢・性別・職種に偏りがなく、あらゆる世代が起業を検討していた。同じ業界で独立を夢見る人、趣味を活かして異業種に飛び込みたい人など、そこには様々な人間模様がある。
続いて、起業に向けて準備しているかどうかを聞いた。すると、クライアントと接触している、情報を収集中、開業のために毎月貯金をしているなど、夢に向かって動き始めている人も少なくなかった。しかし現在の仕事を続けつつ、起業に欠かせない人脈・情報・資金の確保を進めていくのは容易ではない。人によっては家族の理解も得なければならないだろう。周りに相談しようにも、上司はおろか同僚にも言い出し辛い、といった状況も充分考えられる。
目の前に立ちはだかるハードルを、どう飛び越えていくか。最後は、起業に向けた情熱が問われそうだ。
調査時期: 2017年6月16日
調査対象: マイナビニュース会員
調査数: 会社員305名
調査方法: インターネットログイン式アンケート
※写真と本文は関係ありません