経営再建中の東芝が、同グループの財務体質の強化を図るために進めている、東芝メモリの売却。同社は、取締役会において、優先交渉先を決定したと発表した。優先交渉先として決定したのは、産業革新機構、ベインキャピタル、日本政策投資銀行からなるコンソーシアムで、候補者の中から、東芝メモリの企業価値、国外への技術流出懸念、国内の雇用の確保、手続きの確実性などの観点から総合的に評価した結果、上記のコンソーシアムの提案が最も優位性が高いと評価したとしている。
この発表をうけて、ウエスタンデジタルコーポレーションは、以下の声明を発表した。
東芝は、サンディスクの同意権及び現在進行中の二つの法的手続きを無視し続けています。JV 契約は、東芝にはサンディスクの同意を得ずに第三者に持分を譲渡する権利がないことを明記しています。サンディスクは売却手続きに同意しておらず、売却の差止救済及び仲裁裁定のプロセスを通じて自社の JV 持分を守り、自社の権利を主張し続けます。東芝は、過去に何度もサンディスクの同意権を認識し、かつ確認しています。さらにウエスタンデジタルは、東芝の発表に記載された一部の当事者に対し、JV 持分の直接的または間接的な譲渡への合意など、東芝とサンディスクの契約違反を支援する行為は、契約への不当介入になることを以前から伝えています。2017 年 6 月 15 日に、当社は、国際商業会議所 国際仲裁裁判所(ICC InternationalCourt of Arbitration)に求めている差止救済に関する仲裁判断がなされるまで、東芝が三つの NAND フラッシュメモリー合弁事業の売却手続きを中止する旨の差止救済をカリフォルニア州上級裁判所に求めました。5 月 14 日に国際商業会議所 国際仲裁裁判所に提出した仲裁申し立ての手続きも並行して進めています。当社は、自らの同意権及び法的地位に確信を持っています。差止救済のための裁判所の法廷審問は 7 月 14 日に予定されています。
東芝メモリの売却について東芝は、今後、6月28日の定時株主総会までの最終合意、各国の競争法などの必要な手続きを行い、2018年3月末までの売却完了を目指すとしている。