皆さんにとって、キウイフルーツはどれぐらい身近な存在だろうか? ほとんどのスーパーにはニュージーランド産のキウイフルーツが陳列されているので、食べたことがない人は少ないかもしれない。しかし、他にもメジャーな果物がある中で、キウイフルーツを手にとる頻度はどれぐらいだろう?

今回は、キウイフルーツを生産・輸出・販売するゼスプリ インターナショル(以下ゼスプリ社)の本社にて、キウイフルーツの栄養・健康価値について学んできた。その効果は腸内フローラの改善からダイエット・美肌効果まで、"スーパーフルーツ"と言ってもいいほど幅広い。バナナやりんご、みかんにも劣らないキウイフルーツの魅力を紹介しよう。

ニュージーランドから日本へ

キウイフルーツの栄養と健康効果について、ゼスプリ インターナショナルは国際研究機関と共同研究を進めている

昨年、ニュージランドの北島・タウランガ市で初めて「キウイフルーツの栄養および健康効果に関する国際シンポジウム」が開催。消化器系の健康、免疫力の向上、糖質コントロールといったキウイフルーツの健康効果について研究発表が行われ、世界中へ発信された。

キウイフルーツはニュージーランド産の輸出品全体の約50%を占め、2016年度のゼスプリ社の総売上高は19億NZDを超え、更に伸び続けている。その最大のマーケットは、日本。糖度・見た目ともに品質が高いものが日本に輸出されているという。

果物の年代別消費量

果物の摂取状況

一方で、日本のマーケットでは課題もある。まず、日本人の果物消費量が減っていることだ。特に20~30代の果物摂取量が少なく、1日の果物摂取量を比べると、20代(1日68.1g)と60代以上の高齢者(60代152.6g、70代以上169.8g)では2倍以上の開きがある(平成25年度 厚生労働省「国民健康・栄養調査」より)。

若年層の果物離れの背景として、年齢が低いほど生の果実よりも手軽に栄養を摂取できるジュースなどを好む傾向がみられた(平成27年2月 公益財団法人中央果実協会「果物の消費に関するアンケート調査」より)。

そして、味へのハードルがあることも課題だ。調査によると、「キウイの味は好きだが、どういった状態が食べ頃かが分からないために、これまでに"おいしくない"経験をしたことがある」というコメントのほか、「栄養素を知らない」「店頭での存在感が弱い」「食べ方のバリエーションがない」などの意見があがっている(2017年1月実施 ゼスプリ社「消費者定性調査結果」より)。

健康・美容効果を知り、熟したおいしいキウイと出合うこと、その2つがキウイフルーツの喫食頻度を上げるきっかけになるのかもしれない。

ゼスプリ インターナショナル本社へ

ニュージーランド北島のタウランガ市にあるゼスプリ インターナショナル本社 (c)Ant Gray

タウランガ市にはゼスプリ社の本社がある。受付ロビーにはキウイをモチーフにしたインテリア小物が並び、そこにいるだけでハッピーな気分になる空間だ。

受付ロビーには、キウイモチーフのインテリア小物が! (c)Ant Gray

今回はここで、キウイフルーツの栄養・健康価値について学ぶ機会を得た。プレゼンテーションをしてくれたのは、ゼスプリ社でイノベーション・リーダーを務めるジュリエット・アンセル博士だ。

ゼスプリ インターナショナルでイノベーション・リーダーを務めるジュリエット・アンセル博士

「キウイフルーツは栄養価が高くカロリーは少ない、質の高い果物です。栄養が豊富であること、体に悪いものを含んでいないこと、消費者が摂取しやすいことという3つの点でもすぐれています。私たちはキウイフルーツの栄養価はもちろん、消費者が想定しているベネフィットについても研究対象にしています」と語る。

キウイフルーツを食べたほうがいい理由4つ

ここからはキウイフルーツの健康効果について、具体的にまとめていこう。

理由1.栄養素充足率がトップクラス

キウイフルーツには、食物繊維やカリウム、葉酸、ビタミンCなど栄養素がバランスよく含まれる

キウイフルーツ1個は約100g。この小さい果実に、食物繊維、カリウム、葉酸、ビタミンC、ビタミンE、有機酸、ポリフェノール、アクチニジンなど、さまざまな栄養素がバランス良く詰まっている。17種類の栄養素の栄養素充足率(※)を比べると、身近な果物の中で一番高く、栄養密度はりんごの約6倍だという。1個でさまざまな栄養素を多く摂ることができるマルチビタミン的な存在と言えるだろう。

※17種類の主要栄養素について、1日必要量に対して可食部100gでどれだけ摂取できるか(%)を算出し、その平均値をとったもの。

理由2.食物繊維でお腹の調子を整える

ゼスプリ・グリーンキウイ1個の食物繊維含有量はバナナ約3本分!

栄養素の中でも、食物繊維の含有量が豊富だ。厚生労働省が推奨する1日の食物繊維摂取量は、成人男性が20g以上、成人女性が18g以上。主要な果物の可食部100gの含有量を比較すると、バナナは1.1gなのに対し、ゼスプリ・グリーンキウイには3.0gも含まれる。つまりゼスプリ グリーンキウイ1個にバナナ約3本分の食物繊維が含まれているということだ。

キウイフルーツは、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維がバランスよく含まれている。腸の働きを活発にしてお腹の調子を整えるとともに、お腹の中でふくらむ特徴があることから満足感も得られるとのこと。

また、キウイフルーツ特有の消化酵素である「アクチニジン」が含まれる。アクチニジンはタンパク質を分解するため、肉や魚を食べたときに胃腸への負担が軽減される可能性があるという。