説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『iOS 11ではPDFが扱いやすくなるの?』という質問に答えます。
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はい、これから登場するiPhone向けPDFアプリは、大幅に機能アップすることが期待されます。理由は、WWDC 2017でiOS版「PDFKit」が発表されたからです。この開発フレームワークを利用すれば、従来のPDFアプリでは難しかった処理が可能になります。
そのPDFKitは初出ではなく、10年以上前Mac向けに公開されたものがベースです。従来のiOSでもPDFを扱うことができましたが、PDFKitではなくUIWebViewという汎用の開発フレームワークを利用していたため、多機能なPDFビューアを開発することは難しい状況でしたが、PDFKitを利用すればパソコンのPDF編集ソフトに比肩するレベルのアプリを開発できます。
たとえば、PDFを見開きで表示できるようになります。PDF上のテキストをまとめて抽出したり、ページの削除/追加や並べ替えをしたり、注釈や図形(アノテーション)を追加したり、文字列検索したりといった処理も容易になります。単語単位/行単位でテキストを範囲指定することも、画面サイズに応じて拡大率を自動調整することもできます。PDFにアウトライン情報(階層構造を持つリンク付きの目次情報)がある場合、それを取得して見出しのように表示することも可能になります。
iOSに標準装備の機能/アプリのうち、PDFKitの恩恵を受けること確実なのはクイックルック(アプリを起動せず文書を閲覧する機能、共有メニューなどから選択できる)とiBooks、そしてメールアプリです。マークアップ機能(メールアプリなどから呼び出せる簡易編集機能)の強化も予想されますから、PDFをよく使う場合はiOS 11の公開を楽しみに待ちましょう。