A.T. カーニーはこのほど、世界の新興国小売市場に関する最新調査「2017年グローバル・リテール・デベロップメント指数(以下GRDI:The 2017 Global Retail Development Index)」の結果を発表した。
中国は首位陥落
GRDIは新興市場の参入魅力度を測る指数。マクロ経済および小売業独自の変数をもとに、「カントリーおよびビジネス・リスク」「市場魅力度」「市場飽和度」「参入緊急度」という4つの観点から評価、数値化し、上位30カ国をランキング化した。
ランキング1位に選ばれたのはインドで、前年2位からランクアップ。過去数年間の規制緩和と相まって、強力なGDP成長率や中産階級の増加により順位を上げた。
2位は中国で、昨年首位からランクダウン。経済成長は全体的に鈍化してはいるが、「市場規模および小売業の継続的な進化は投資において非常に魅力的な市場であり続けている」(同社)。
以下、3位マレーシア、4位トルコ、5位UAEアラブ首長国連邦、6位ベトナム、7位モロッコ、8位インドネシア、9位ペルー、10位コロンビアと続き、トップ10にアジアから5カ国がランクインした。
今回の調査では、米トランプ大統領の"アメリカ・ファースト"にみられる自国第一主義的な高まりや、地政学的環境の変化の中、グローバル展開している小売業者が先の見えにくい状況に直面していることが判明。戦略を再考することを余儀なくされた結果、新規市場に参入した業者や既存市場で拡大した業者の数が低迷しただけでなく、多くの業者が店舗数の削減や市場からの完全撤退を行った。