アイドルグループ・V6の坂本昌行が13日、東京・新国立劇場 中劇場で行われた主演舞台『君が人生の時』のフォトコール、及び囲み取材に、野々すみ花、丸山智己、橋本淳とともに登場した。

左から橋本淳、野々すみ花、丸山智己

同作は1939年、ニューヨークにて初演されたウィリアム・サローヤン作の舞台。ニューヨーク劇評家賞とピュリッツァー賞を受賞(本人は辞退)した。日本の近代演劇に大きな影響を与えた海外戯曲を新たに翻訳する、新国立劇場主催の「JAPAN MEETS...―現代劇の系譜をひもとく―」シリーズの第11弾となる。主演の坂本は、サンフランシスコの波止場の外れにある場末の酒場を舞台に、若く美しい放浪者・ジョーを演じる。

ミュージカルに出ることも多い坂本だが、今回は「ずーっと座ってます」と苦笑。「原作の翻訳を読ませてもらった時に、なかなか難しいというか。捉えどころがない作品」とひるんだものの、「一つ一つ紐解いていくと、あたたかい作品」だったと表した。セリフの背景を理解するために、歴史から紐解いていったと明かし、稽古の初めの1週間もディスカッションのみで進んだという。

共演する野々が坂本について「初めてご一緒させていただくんですけど、良い意味でいつもニュートラルでナチュラル」と語り、「お芝居の世界に入ると、一瞬だけ目が合うだけで、いろんなことを発してくださる大きな方」と表現すると、坂本は大きくニヤリ顔に。「(野々と橋本の)2人は本当に真面目で! 演出家の方のダメ出し一つを取ってもぐーっと集中して入ってる」と互いに褒め合った。

また今回坂本の弟分となる橋本は、稽古初日から坂本を「兄貴」と呼んでいたという。坂本が「いろんなことやってくれて。シモの世話以外全部」とジョークを飛ばすと、橋本が「介護です」と返すなど、息もピッタリの様子。橋本は小学生の頃からV6を見ていたが「椅子に座った坂本さんを見た途端に、『ジョオだな』と。作り上げていくのを一番そばで感じているので、楽しく新鮮にやらせてもらいました」と語った。

レポーターから「『君が人生の時』というタイトルですが、そろそろ人生を考えたりとか……」と結婚を見据えた質問をされると、坂本は「逆に、タイトルを皆さんはどういう風に捉えられるのかな? 観ていただけるのが一番だと思うんですけど」と巧みに交わす。さらに「酒場に一緒に行くどなたかが?」という質問には「酒場に行かないですね。"酒場"って言います?」と逆に質問するなど、和やかな攻防が行われていた。