サニーヘルスはこのほど、ダイエット情報発信サイト「microdiet.net」にて調査レポート「糖質制限ダイエットが体臭の原因に? 」を公開した。
ここ最近、糖質制限ダイエット(=炭水化物抜きダイエット)が人気となっている。糖質制限ダイエットとは、難しいカロリー計算は不要で、米、パン、うどん、パスタなどの糖質の高い主食を断ったり、減らすというもの。
「糖質」「タンパク質」「脂質」の3大栄養素は、体内に入ると分解され体のエネルギー源となるが、それぞれ体内での用途・役割が異なるという。糖質制限ダイエットは、3大栄養素のうち糖質だけを減らし、血糖値をコントロールすることを目的としているとのこと。
糖質を摂取すると、体の中でブドウ糖に分解され、血液中に入り血糖となる。これが「血糖値が上がる」という状態で、健康な場合は血糖値を下げる「インスリン」と、上げる働きをする「グルカゴン」の作用によって、血糖値は調節されているという。
血糖値が上がるとすい臓からインスリンが分泌され、糖をエネルギーとして筋肉や臓器などに送る一方、使われなかった糖は中性脂肪となり体に蓄えられる。血糖値が急に上がるとインスリンが多量に分泌されるため、「糖が余っている=脂肪に変換して溜め込まなければ」と体が判断してしまうとのこと。
蓄えられた脂肪を運動などで消費しようとしても、インスリンがたくさん分泌された状態にあると、運動すると脂肪の分解を助けるホルモンの働きが阻害されるという。この状態を防ぐために、糖質制限ダイエットにおいては、糖質の摂取量を極端に減らし、とにかく血糖値を上げないようにするということが重要とされているとのこと。
糖質制限ダイエットでは、1日の糖質量を20~50gにすることを目標にしている。白米1膳(150g)に含まれる糖質量は約55gであるため、1日に1膳弱しか食べられないという計算になる。炭水化物以外にも糖質は含まれるため、その量を考えるとさらに主食の量を減らす必要があるという。
糖質制限ダイエットで体内のブドウ糖が不足すると、体はその代わりのエネルギー源として、脂肪が分解された「ケトン体」を使い始める。食べ物から摂取した糖の代わりに、脂肪が分解されてできたケトン体がエネルギーとして使われるため、効率よく体脂肪が減少するという。
このように、早い段階で減量の効果が得られる人が多いため、糖質制限は人気のダイエット法だが、気を付けなくてはならないこともあるとのこと。主食以外なら何をどれだけ食べてもよいと言われているが、タンパク質、脂肪も摂取過多になれば体脂肪になるだけでなく、長期に渡れば病気のリスクを高める可能性があるという。
また、ケトン体がエネルギーとして使われている状態を「ケトーシス」と言うが、その際に現れるデメリットとしては、体がだるくなる、頭がボーッとする、ケトン体特有のダイエット臭(甘酸っぱいツーンとしたにおい)などが挙げられる。このにおいは自覚できるほどなので、そばにいる人にも気付かれることもあるという。
塩分の摂取量にも注意が必要とのこと。胃を満たすために汁物の量を増やしたり、おやつ代わりにチーズや魚肉ソーセージを食べることが重なると塩分過多になる場合があるとのこと。むくみや腎臓への負担など肥満以外の問題も発生することも考えられる。
糖質制限しながら満腹感を得るには、根菜以外の低糖質の野菜やきのこをたっぷり食べるのがよいとのこと。さらに血中のケトン体濃度が上がると、体外へ排出しようとして脱水症状を起こすことがあるため、水分を積極的に摂ることも大切だという。
なお糖質制限ダイエットは、10~20年単位での長期的かつ正しく検証された報告はまだなく、安全性については現在のところよく分かっていないという。実践するのであれば、数週間程度の短期間に留めておいたほうがよいとまとめている。
詳しい説明はmicrodiet.netの最新の記事「糖質制限ダイエットが体臭の原因に? 」で解説している。