ちいさなアトリエ「動くおもちゃを楽しもう」

デンマークでペーパークラフトを学んだ私は、帰国後、2015年に娘エマを出産しました。動くおもちゃにこんなに反応するなんて!そう驚いたのは、生後3ヵ月程位経った頃。動くものに反応するのはまだ先かな?と妊娠中に作っておいたモビールは、産後しばらく大切にしまっていました。

私の予想をあっさりと裏切って、娘はモビールを目でじっと見つめると、それに向かって小さな手を伸ばしていました。娘はこんなふうに、これからいろんな世界に触れていくんだと私自身、心が動いた瞬間でした。

私が暮らしていた北欧の国デンマークには、別名「動く彫刻」とも呼ばれるモビールを、子どものいる家庭に限らず、季節やインテリアとあわせて素敵に飾る習慣があります。フレンステッド社の花輪がクルクルと回るモビールや、童話作家アンデルセンの切り紙をもとにしたモビールは、娘が生まれる以前から我が家でもインテリアのひとつになっていました。

「家に魔物が通ると、モビールがピタっと動きを止めて知らせてくれる」という古い言い伝えがあるくらい、モビールはデンマークの人々にとってお守りのような存在でもあるようです。