近年、たばこによる健康被害について政治の場でも議論が繰り返されるようになった。受動喫煙対策が強化された「健康増進法改正案」について、秋の臨時国会に先送りされることが決定したのは、まだ記憶に新しいところ。そこでマイナビニュース会員300名に、たばこにまつわる質問をぶつけてみた。

まず、マイナビニュース会員300名に喫煙者かどうか聞いたところ、43.7%(131人)が「喫煙している」、56.3%(169人)が「喫煙していない」という結果に。意外にも喫煙者、非喫煙者の割合は拮抗した。続いて、「喫煙している」と回答した169人に禁煙する予定はあるか聞いた。結果は44.3%(58人)が「ある」、55.7%(73人)が「ない」と回答した。

さらに禁煙について「ある」または「ない」と回答した理由についても聞いてみた。結果は次の通りだ。

禁煙する理由

  • 「まわりから非難されるから」(53歳男性 / その他メーカー / 事務・企画・経営関連)
  • 「やめたくないけど奥さんにやめろと言われるから」(30歳男性 / 化粧品・医薬品 / 技能工・運輸・設備関連)
  • 「世の中がこれほど騒いでいる煙の問題。たばこは家でしか吸えない環境になりつつあるので、この際やめようと思っている。もう、吸うところが本当にない」(35歳女性 / 医療・福祉・介護サービス / 専門サービス関連)
  • 「健康のため。お金の節約のため。でも、なかなか禁煙できません」(47歳女性 / 食品 / 販売・サービス関連)
  • 「テレビなどで健康に良くないという事をよく見かけるし、喫煙出来るスペースが減ってきて周りに禁煙を始めている人が増えたので、自分も禁煙しようかなとは思っています」(50歳女性 / サービス / その他・専業主婦等)

禁煙しない理由

  • 「今まで何度も失敗しているから」(47歳男性 / 技能工・運輸・設備関連 / 会社員・公務員・団体職員)
  • 「たぶんやめられない(やめるためのストレスが体に悪い?)」(51歳男性 / 非鉄金属 / IT関連技術職)
  • 「禁煙しても3日坊主だし、イライラがひどくかえって体に良くない」(44歳男性 / 鉱業・金属製品・鉄鋼 / 技能工・運輸・設備関連)
  • 「個人の自由だし、ただでタバコを吸っている訳ではない。国に税金を納めているんだし、他の人に迷惑にならないようにすればいいから」(57歳女性 / その他 / その他・専業主婦等)
  • 「ストレス発散で落ち着くから。周りには気を使った上で吸っている。また、喫煙所でのコミュニケーションは良い情報源だから」(45歳男性 / システムインテグレータ / IT関連技術職)
  • 「男のロマンだから」(58歳男性 / 通信関連 / 営業関連)

このほか、煙草が一箱いくらになったら禁煙を考えるか聞いた。結果は次の通り。

  • 「500円になったら経済的な面を考えて購入をやめて禁煙します」(49歳男性 / その他 / 技能工・運輸・設備関連)
  • 「高くなったからといって辞めるわけではないが、600円台に突入したら考える」(31歳男性 / その他 / その他・専業主婦等)
  • 「600円以上から考えて700円になればやめたいと思います」(45歳男性 / 旅行・観光 / 販売・サービス関連)
  • 「1000円超えたらついていけなくなりそうです」(33歳男性 / その他電気・電子関連 / メカトロ関連技術職)
  • 「いくらになってもやめられないと思えるぐらいヘビースモーカー」(56歳男性 / 教育 / 専門サービス関連)

このほか、IQOSやPloomTechなどの電子式タバコの利用についても聞いている。「利用している」と答えたのは25.2%(33人)となっており、昨今話題の電子式タバコではあるが、まだまだ普及していないことが伺える。なお利用・非利用に関わらず、電子式タバコについてどう思うか聞いているので紹介しよう。

  • 「ベタベタしないのでいいと思う」(47歳女性 / 海運・鉄道・空輸・陸運 / 技能工・運輸・設備関連)
  • 「匂いが少なく、とてもいいと思います。ただ、本体が高いため購入してしまったら禁煙できなくなりそうで買っていません」(33歳男性 / その他電気・電子関連 / メカトロ関連技術職)
  • 「煙が出なくて良いが、充電が無くなると吸えないのは不便」(48歳男性 / 専門店(自動車関連) / 販売・サービス関連)
  • 「周囲への迷惑が軽減されるのならいいと思う」(48歳男性 / 医療用機器・医療関連 / 専門サービス関連)
  • 「電子式タバコを吸うくらいならいっそ禁煙する。自分の銘柄のタバコ以外は口にしない」(44歳男性 / 専門店(ファッション・服飾関連) / 販売・サービス関連)
  • 「充電までの時間がもどかしく喫煙可能時間が驚くほど短い」(48歳女性 / 百貨店 / 販売・サービス関連)
  • 「個人差あると思うが、煙で慣れているので、アイコスのような蒸気はこれまでのタバコとまったく別物であり、吸い口も香りもまったく違う。流行っているようだがあまり好きではない」(31歳男性 / その他 / その他・専業主婦等)
  • 「邪道だと思います」(48歳男性 / サービス / 専門職関連)
  • 「大変素晴らしい。ウィークポイントがあるので早く対策した製品を出してほしい」(38歳男性 / 専門店 / 販売・サービス関連)

総評

マイナビニュース会員300名のうち、喫煙者は131人、非喫煙者は169人だった。その喫煙者131人のうち、禁煙する予定があるのは44.3%の58人。禁煙する理由については、配偶者あるいは周囲から止められて、という声が目立ったほか、禁煙スペースの減少も大きく影響しているようだ。

禁煙しない理由については、今まで何度も失敗しているから、禁煙しても続かずにイライラが溜まるといった声が上がっており、禁煙の難しさについて改めて考えさせられる。「個人の自由だし、国にタバコ税を納めている」「男のロマンだから」といった回答は、禁煙できない喫煙者の常套句と言える。

煙草がいくらになったら禁煙を考えるか、については500円~600円という回答がボリュームゾーンになっていた。ただ、700円~2000円という回答も少なからず存在している。

電子式タバコの利用者は33人、非利用者は98人。回答者の4人に1人が利用していた。電子式タバコの受け取り方は様々で、賞賛する声もあれば、たばことは全く別物とする意見もあった。「充電に時間がかかる」「本体が高い」といった課題を、今後いかに克服していけるか。普及するか否かの分かれ道にもなりそうだ。

調査時期: 2017年6月1日
調査対象: マイナビニュース会員
調査数: 会社員300名
調査方法: インターネットログイン式アンケート

※写真と本文は関係ありません