ICT総研は8日、日本のタブレット端末市場に関する調査結果を公表した。それによると2016年度の出荷は866万台となり、2年連続の減少となった。足元のタブレット出荷は冴えないが、2019年度には1000万台近くまで増加すると予測している。
iPadの爆発的な売れ行きとともに、市場を拡大してきたタブレット端末だが、ここ最近、不調が続いている。日本のタブレット端末市場は2013年度に713万台、2014年度に919万台と大きな成長を見せたが、そこを境にダウントレンドが続いている。
その最大の要因は、スマートフォンやパソコンとの決定的な差別化ができなかったことだ。スマートフォンは画面サイズの大型化が進んでタブレットと近くなり、使えるアプリもほぼ同一。近年では訴求対象も、ビジネスパーソンや教育、クリエイターなどとなり、幅広いコンシューマー向けとしての印象が薄れてきている。
足元、厳しい状況に置かれたタブレットだが、ICT総研では今後、市場拡大を予測する。2017年度には3.6%増の897万台、2019年度には1000万台近くまで達すると見込んでいる。
iOS、Android、Windowsといずれも増加予測だが、そのけん引役となるのが、Windowsタブレットだ。学校や法人での利用ニーズが拡大していることが要因で、グループウェアやマイクロソフトオフィスが使える「Office 365」のビジネスニーズが高まっており、パソコンほかタブレットへの利用が進むとICT総研は予測する。ほかにも低価格タブレットの普及が出荷台数の増加につながるとしている。
国内タブレット市場の動向については、MM総研も先月末に発表しており、ほぼ同様の調査結果を示し、2020年度には1000万台に迫るとの見通しを示している。教育・法人用途での需要が牽引、セルラータブレットも伸びるとしているが、過去の最盛期を上回ることができるだろうか。