「クラウドSIM」で世界100カ国のネットワークを利用可能なモバイルルーター
BroadLineは6月8日、世界約100カ国で利用できるデータ通信サービス「GWiFi」と、対応するモバイルWi-Fiルーター「G3000」を発表した。G3000の価格は19,800円(税別)で、7月21日から大手家電量販店で発売される。海外100カ国以外に日本でも利用でき、日本では30日間の有効期間で3GB・5GB・10GB・100GBのプランを用意。海外は対象国を3パターンに区切っており、1日当たり300MBと500MBのプランを用意している。
GWiFiサービスに対応するWiFiルーター「G3000」のモックアップ。外見はよくあるポケットWi-Fiだ。海外利用を想定し、LTEで1/2/3/4/5/7/8/17/19/28A、3Gで1/2/4/5/8と、対応バンドが広い |
海外の料金プラン。実際には対象国(A/B/C)における利用解除を行い、利用があった日(日本時間で計算される)のみ請求する。「香港旅行に行ってちょっとマカオにもよる」というケースなら、対象国Cの料金だけでよいというのはうれしい |
説明会では、BroadLine 代表取締役の長岡守氏が、会社とサービスの概要を紹介。日本の現状として、1人が所有するモバイルデバイスが平均して1.75台になっているという背景をもとに、通信サービスは今後も増えると予想している。それに伴う柔軟なサービスを提供するため、今回、SimGo社のクラウドSIMサービスを日本向けに展開するとした。
G3000にはSimGo社のクラウドSIMが入っており、各国の事業者情報をクラウド経由でやり取りすることで、SimGo社が契約している事業者を経由した世界のネットワーク通信を自由に利用できる。設定がクラウド経由なので、購入して初期登録をすれば5分で利用可能になるという。支払いは「日本で発行されたクレジットカード」のみだ。
GWiFiサービスは、海外渡航の多い人にとって、うってつけのサービスだろう。夏をめどに、レンタルも予定しているそうだ。また10月には、G3000経由でGWiFiポータルサイトへの無料接続を予定しており、つまり他の通信環境がない状態でも設定可能になる。
G3000は、今後の1年で1万台の販売を計画。今後のサービス展開としては、インバウンド/アウトバウンド向けのレンタル事業、そして法人営業を予定している。さらに、クラウドSIMモジュールの販売も視野にいれ、コネクテッドカーやIoTでの展開も見込む。
国内利用メインで使うのもアリ?
G3000は、初期費用が20,000円ちょっとかかるのが現時点で最大のネックだと感じるが、日数や利用時間/時間帯で制限されないポケットWi-Fiサービスと考えることもできる。たとえば、YouTubeの動画をサクサク見たいというニーズがあれば、100GBプランなら100時間以上は余裕で視聴可能だ。また、BroadLineのテストという条件は付くが、日中の利用でもかなり速い。
今のところ、海外利用時の通信事業者が公表されていないが、国内はNTTドコモとソフトバンクのネットワークを利用すると明言している。通信事業者のいいとこ取りができる……という見方もあるだろう。