本田技研工業は6月5~7日にホンダの最新技術を紹介する「ホンダ ミーティング 2017」を開催し、同社代表取締役社長 社長執行役員の八郷隆弘氏がホンダの今後の方向性などについて説明した。この中で、2025年をめどにほぼ完全な自動運転となる「レベル4自動運転」技術の確立をめざすことなどを明らかにしている。

新型「N-BOX」以降、国内の全モデルで「Honda SENSING」を標準装備とすることも明らかに

発表では、八郷氏の社長就任から2年間経過した現時点での成果や今後の方向性などについて説明がなされた。注目される今後の取組みについては、次期「アコード」を今年、米国からフルモデルチェンジすると発表。また、秋のオートショーで新たなホンダのデザインの方向性を紹介するとしている。さらに、ホンダがめざす「ドライバーが意のままに運転できる走り」の技術を開発中であるという。

ホンダは2030年に四輪車グローバル販売台数の3分の2を電動化することをめざすとすでに発表しているが、今回はその内訳として、燃料電池自動車(FCV)に加え、電気自動車(バッテリーEV)の開発を強化することが発表された。2018年に発売予定の中国専用モデルに加え、他の地域に向けても専用モデルを開発中で、今秋のオートショーで紹介するという。また、開発体制を強化するため、パワートレインから車体まで1台を一貫して開発する専門組織「EV開発室」を昨年10月に研究所内に設立した。

二輪車についても、2018年に電動スクーターなどを投入予定とし、日本郵政との協業がすでに発表されているコミューターについては、脱着式で簡単に交換、充電ができるモバイルバッテリーを採用したものであることを発表。安全装備については、日本では新型「N-BOX」以降、軽自動車を含めたすべてのモデルに「Honda SENSING」を標準装備する。

自動運転については、2020年に高速道路での自動運転技術を実現し、その後、一般道に拡大する。高速道路では複数車線での自動走行を可能とし、ドライバーの指示が不要な自動車線変更機能や、渋滞時にドライバーが周辺監視を行う必要がない自動運転の実用化をめざす。パーソナルカーユースに向けた「レベル4自動運転」についても、2025年頃をめどに技術的な確立をめざすとしている。

「レベル4自動運転」とは、レベル0からレベル4まで定義された自動運転の最高レベルで、ドライバーがまったく関与せずに車両が自律的に運転を行うものとされている。