東京商工会議所は6月6日、「平成29年度 中堅・中小企業の新入社員の意識調査」の結果を発表した。調査は3月31日~4月14日、同所開催の新入社員研修を受講した中堅・中小企業の新入社員1,042名(男性653名、女性388名、不明1名)を対象に、アンケート用紙を配布して行われた。
就職活動の感想を聞くと、「順調だった」が20.4%、「ほぼ順調だった」が37.5%と、依然として57.9%が「順調」と回答。「厳しかった」と回答した学生は40.7%(「厳しかった」29.3%+「やや厳しかった」11.4%)となり、売り手市場の継続が伺える結果となった。
就職活動で「苦労したこと」を聞いたところ、「内定が遅く活動期間が長かった」と回答した人の割合は、前年から2.9pt低下した。また、「採用枠が少なく競争が激しかった」(33.2%)の割合は、5年前(53.5%)と比べて低水準に。さらに「説明会や面接の日程・時間調整」(前年比-2.7pt)の割合も低下となった。
一方、今年度も「自分のやりたいことがわからず悩んだ」(59.7%)や、「会社について知りたい情報が入手しにくかった」(30.8%)で高い割合を示したことから、短い就職活動期間内で自己分析を行いながら、自身にとって最適な会社を探すことに苦労したことが読み取れた。
「入社した会社を選んだ理由」については、「仕事の内容がおもしろそう」(44.2%)、「職場の雰囲気が良かった」(39.3%)、「自分の能力・個性が活かせる」(37.0%)の3つが、依然としてトップ3を独占。次いで「採用担当者・社員に好感が持てた」(29.6%)、「安定性がある」(25.9%)と続き、仕事内容や安定的に働けることに加え、人間関係を重視する傾向も見受けられた。
「仕事をしていく上での不安」を聞くと、今年度も「仕事に対する自分の能力」(73.2%)が最多に。以降、「社会人としての一般マナー」(46.0%)、「上司との人間関係」(28.7%)と続いた。