現在の自作PCのトレンドは、LEDの同期制御と、ハードチューブを使った水冷である。こういったPCの見た目を楽しむために、最近のPCケースは強化ガラスを採用した製品が非常に目立つようになっており、今回のCOMPUTEXでも、そうした製品を多く見ることができた。それでは、各社ブースで注目のPCケースを紹介していこう。
あのLevel 10が復活、その名も……
Thermaltakeのフラグシップモデルと言えるのが、同社の創立20周年を記念する「Level 20」である。古くからの自作ファンには、以前、創立10周年のときに発売された「Level 10」について覚えている人もいるだろう。Level 20は、マザーボード、電源、ストレージを個別のボックスに分けるというコンセプトを踏襲しつつ、デザインを一新した。
Level 20は、3つのボックスそれぞれに5mm厚の強化ガラスを採用。強化ガラスは一般的に、ネジで固定する方式が多いが、これはヒンジを採用しており、簡単に開け閉めすることができる。年末あたりに量産を開始し、価格は12万円程度になる見込み。Level 10のときと同じように、カラバリ、低コスト版などの展開も考えているとか。
そのほかにも、多数のPCケースが展示されていたのだが、とにかく派手だったのが「Core P7 TG」。従来のCore P5の両側を拡張したようなスタイルになっており、両側それぞれにラジエータやリザーバを追加することができる。Core P5はアクリルだったが、Core P7 TGでは強化ガラスが採用された。価格は21,000円程度の見込み。
曲がった強化ガラスを採用したCosmos
Cooler Masterは、大型ケース「Cosmos」の最新モデル2機種を紹介していた。まず、同社25周年記念モデルとなるのが「Cosmos II 25th Anniversary Edition」である。これは、既存のCosmos IIをベースにしたモデルで、サイドパネルとして折り目のある強化ガラスを採用しているのが特徴。価格は4万円台後半で、7~8月の発売予定だ。
またCosmosラインの後継モデルとなるのが「Cosmos C700P」だ。MasterCaseシリーズのコンセプトであるモジュラーデザインを取り入れたということで、自由度が向上。マザーボードを倒立配置にすることも可能だという。こちらは11月~12月の発売予定。
そして注目したいのが、「MasterBox Q300」シリーズである。非常に自由度が高いモデルで、アクリルのサイドパネルは左右どちらにも配置が可能。さらに、このサイドパネルは正方形になっているため、上下左右の向きも自由だ。これにより、I/Oパネルの位置が変えられるようになっており、内部のパーツが干渉するようなときに便利だろう。
この新型MasterBoxは、最もシンプルなノーマル版に加え、四隅にハンドルを付けたプロ版、前後と上下にカバーを付けて斜めに置けるゲーミング版というラインナップを展開する計画。こちらは10月の発売予定だ。
ガラスの次は木材が流行る?
ここ数年、奇抜とも言えるようなユニークなケースを展示し、注目を集めてきたIN WIN。今年は何が出てくるか……と期待していたら、出てきたのが球形PC「Winbot」である。トム・クルーズ主演の映画に出てくる宇宙船がモデルとのことで(オブリビオンのバブルシップだろうか?)、ケースは球形のアクリルになっていた。
自動でフタをオープンする機構を搭載。また、前面には3Dカメラも内蔵しており、ジェスチャー認識による自撮りが可能だという。ただ、さすがにこれは市販する計画は無いそうで、残念ながら展示だけとなる模様だ。
実際に発売予定の製品で面白かったのは、トップパネルやフロントパネルに本物の木材を活用したモデルが多かったことだ。デザイン的に温かみを感じられ、リビングに置くのにも良さそうだ。