子どもの創意工夫で遊べる「プログラム済みロボットプラットフォーム」

既報の通り、ソニーは6月1日、創意工夫によっておもちゃの楽しみの幅が広がる体感型トイ・プラットフォーム「toio(トイオ)」を発表した。発売は12月1日でオープンプライスとなっているが、特典付きの先行予約をソニーのクラウドファンディング&Eコマースサイト「First Flight」にて行っている。6月4日時点のラインナップと税込価格は、基本セットが28,037円または29,117円、全部セットが32,335円だ。

6月1日には、東京ビッグサイトで開幕した「東京おもちゃショー2017」で発表会も開催された。ここでは発表会の様子と展示を中心に紹介してこう。

発表されたtoioプラットフォーム。写真右はパッケージサンプル。後ろにチラッと見えるのが、プログラムカートリッジや遊び方ブックレットの入ったtoioタイトル

toioは、ソニーの新規事業創出プログラム「Seed Acceleration Program」(SAP)から生まれた。SAPは社長直轄のスタートアップ支援制度でもある。ソニーの小田島氏が語った背景によると、今回のプロジェクトリーダーである田中氏のアイディアが社内オーディションで優勝し、SAPで12番目の製品としてスタートした。

左がグループリーダーのソニー 田中章愛氏、右がSAPの責任者でもあるソニーの小田島伸至氏

toioを詳しく説明したのは、グループリーダーの田中氏だ。toioは、ロボットとなるtoioコアキューブ、toioコアキューブを操作するtoioリング、全体を制御するtoioコンソールからなり、これをtoioプラットフォームと呼ぶ。「ロボット」とはいっても、プログラミング要素はなく、対象年齢は低めだ(6歳~)。

今回のプロジェクトは、「toioコアキューブが自分自身の位置を判定する」というブレイクスルーによって製品化されたと語っていた。詳細は省かれたが、toioコアキューブ内に光学センサーが入っており、ロボット(toioコアキューブ)を置くプレイフィールドシートに埋め込まれたパターンを読み取るのだろう。また、toioコアキューブにはかなりの高トルクモーターを使用しており、説明動画によれば200gの物体を乗せても動く。

一方、toioプラットフォームだけでは何もできない。動きのプログラムが含まれたカートリッジ、プレイフィールドシートなどが含まれた「toioタイトル」を購入することで、遊べるようになる。

toioプラットフォームを構成する要素。子ども的には充電台にしか見えないが、これが全体を制御するtoioコンソール

子どもたちにとって興味の対象となるのは、このtoioコアキューブ。200gぐらいのものを載せても動き回れる強力なモーターと、光学的に現在位置を把握するセンサー、3軸Gセンサーを内蔵

toioコアキューブを動かすリモコンのtoioリング。toioの遊び方は常時リモコンを使うわけではないので、腕にはめられるこの形にしたという。toioリングは3軸Gセンサーを内蔵し、5つのボタン、4方向スイッチが付いている

toioの商品構成。家庭用ゲーム機と同じように、コンソール+ソフトタイトルという組み合わせで利用する

toioの特徴は、「体感型」のおもちゃであり、自分でプラスアルファできる要素が大きいこと

ソニー独自の機能。toioコアキューブが自分の絶対位置を知ることができる。詳細は説明しなかったが、光学センサーでシートの模様を読み取って判別するようだ

この大きさとしては強力なモーターを搭載しているのも特徴だ