ASUSTeK Computerは、台湾・台北で開催中のCOMPUTEX TAIPEI 2017で、わずか17.9mm厚の筐体にハイエンドGPU「NVIDIA GeForce GTX 1080」を搭載してしまったゲーミングノートPC「ROG Zephyrus GX501」を発表した。北米では6月24日に予約の受付を開始し、7月の出荷を予定する。価格は2,699ドル。

ROG Zephyrus GX501

最薄部で16.9㎜、最厚部でも17.9㎜

知らなければゲーミングノートPC、しかもGeForce GTX 1080が搭載されているとは思えないほどの薄さだ

サイドに金色の刺し色が入るあたりはZenbook 3など、最近のASUS製ノートPCとも共通する

「ROG Zephyrus GX501」は、NVIDIAが発表した薄型ゲーミングノートPC向けのリファレンスデザイン「Max-Q Design」に準拠した製品。「Max-Q Design」では、GPUや熱設計を最適化することで、薄型筐体でも「NVIDIA GeForce GTX 1080」のようなハイエンドGPUの搭載を可能とする。

ROGの発表会にはNVIDIA創業者兼CEOであるジェンスン・ファン氏も参加。ASUSとの21年間にわたる信頼関係をうかがわせた

自社の発表会では常に声高らかに製品をアピールするASUSのジョニー・シー会長も、この時ばかりは穏やか。旧友との会話を楽しむようにリラックスした空気が流れた

「Max-Q Design」に加えて、ASUS独自の機構であるActive Aerodynamic System(AAS)を採用する。ディスプレイ部分を開くとヒンジと底面パネルが連動し、底面パネル部分と本体に5㎜程度の隙間が現れ、外気を取り込む。これにより、一般的なノートPCと比較して、流入する風量が20%増加するほか、温度を約10度下げることが可能だという。

ディスプレイを開くと底面パネルと本体に隙間ができ、その部分から吸気する

底面パネルが開き、中からLEDの光が見える

持ち上げるとさらによく分かる

冷却ファン「AeroAcceleratorファン」も新たに開発。ブレード部分は従来から33%薄型化したが、71枚もの羽を備えることでより多くの風量を実現する。また、ファンの素材として、軽く剛性の高い特殊な液晶ポリマーを採用した。

吸気は先ほどの底面パネル部分とキーボードの上から。この部分はかなり熱を持っていた

排気は背面から。かなり風量が強い

CPUとGPUに対して、それぞれファンを搭載し、両者の間はヒートパイプでつなぐことで、システム全体の冷却効率を上げる。この構成自体は従来のゲーミングPCで幅広く用いられているが、「ROG Zephyrus GX501」ではファンの回転数をインテリジェントに管理し、CPUとGPUのどちらか一方の発熱が高まった際にも、2基のファンを連動して低回転で動作させることで、冷却性能を落とさずにノイズを抑える。これらの技術や工夫を組み合わせることで、17.9mm厚のボディへGeForce GTX 1080を搭載可能とする。

ディスプレイサイズは15.6型で解像度はフルHD(1,920×1,080ドット)。リフレッシュレートは120Hz、パネルはIPSを採用する。また、NVIDIAのディスプレイ表示技術「G-SYNC」をサポートする。

ディスプレイは15.6型

キーボードは、冷却システムとの兼ね合いで本体の前方に位置している。筆者は、ノートPCのパームレストを使う態勢を取らないので、あまり違和感がなかった。キーストロークは薄型PCらしく1.4㎜と浅めだ。なお、30キーまでの同時押しをサポートする。10キー部分はタッチパッド方式になってる。

キーボードは手前側に配置

テンキー部分はタッチパッドになっている

イルミネーション機能に対応し、FPS用に「WASD」キー、MOBA用に「QWER」を目立たせるといった点灯も可能だ。

主な仕様は、CPUがIntel Core i7-7700HQ、メモリがDDR4-2400 最大24GB、ストレージがM.2 PCIe 3.0x4 256GB/512GB/1TB、グラフィックスがNVIDIA GeForce GTX 1080、ディスプレイがG-SYNC15.6型フルHD(1,920×1,080ドット)、OSがWindows 10 Home/Pro。

通信機能はIEEE 802.11ac対応無線LAN、Bluetooth。インタフェースがThunderbolt 3×1、USB 3.1×4、HDMI 2.0×1、マイク/ヘッドホンなど。本体サイズはW379×D262×H16.9(最薄部)㎜、重量は2.2kg。