普通で特別な毎日「思いがけないご褒美」

2010年3月1日からちょうど6週間、僕は育児休暇を取った。風雅が2才になる少し前、4月からは保育園に行き始めた時期だ。イクメンなんていう言葉が世間でもてはやされ始めるのはまだこの先。妻が「育休取る男の人って素敵だな」と勧めてくれたのがきっかけだ。

初めのうち、風雅は思い出したように母親を探した。僕と二人は不安だったのだろう。僕も同じだった。週末を除いて、昼間は常に向き合っていなくてはいけない。本当に乗り切れるか心配の方が大きかった。

朝ごはん、洗濯を済ませ、天気が良かったら散歩や買い物。お友達と遊びに行って、帰ったら昼寝。起きたら部屋で本を読み聞かせたり一緒に遊んだり、それから夕食の支度。普段それなりに手伝っているつもりだったけど、風雅の様子を見ながらやるのは難しかった。

何か1つのことに集中するわけにはいかず、何でも中途半端な状態。予定通りにことが進まないのがこんなに精神的に良くないって初めて知った。

うーん、仕方ない。とにかく何でも「面白い」と言うことに決めたら、気持ちが楽になった。風雅にパスタをお茶に浸されてテーブルの上がカオスになっても、おもちゃ箱をひっくり返されて大掃除状態になっても、まずは「面白いことをしているね」と風雅に声を掛けた。こっちの気持ちを知ってか知らずか、僕が「グッジョブ!」と言うとハイタッチしにくるようになった。