デルは5月30日、COMPUTEX TAIPEI 2017に合わせて開催した発表会にて、新製品3モデルを発表。登壇した同社シニア・バイスプレジデント兼ジェネラル・マネージャーのレイモンド・ワー氏(コンシューマーおよびスモールビジネス・プロダクトグループ担当)は、冒頭、PC市場における同社の成長性をアピールした。
「IDCが発表した2017年第一四半期調査では、我が社の出荷台数は960万以上。90日間なので、1日10万台以上と、悪くない数字です。成長率は6.2%。通年ではマーケット全体の5.3%成長に比べ、デルは10%もの成長を成し遂げています」(レイモンド・ワー氏)。
PCのコンシューマ市場はマイナス成長だったが、デルは1.9%成長とかなり健闘している。なお、米Gartnerの調査によると、2016年4QのPC世界シェア(ChromebookやiPadを除く)は、レノボ、HPに次いで第3位だ。レイモンド・ワー氏は「キープレイヤーが参加しているトップ5のブランドとして、もっとも成長できている理由のひとつは、我が社がイノベーションに特化してきたからです」とアピールする。
デスクトップ向けRyzenをAiOに、VR対応を実現
今回発表された新製品は、最新のRyzenプロセッサを搭載したオールインワンPC「Inspiron 27 7000オールインワン」と「Inspiron 24 5000オールインワン」、およびゲーミングPCの「Inspiron ゲーミングデスクトップ」の3モデル。
「Inspiron 27 7000オールインワン」は狭額縁の27型4Kディスプレイを搭載した薄型オールインワンでありながら、第7世代のデスクトップPC向けRyzenを搭載し、VRに対応。「Inspiron 24 5000オールインワン」も同じくRyzenプロセッサを採用。ディスプレイは24型タッチ液晶で、ディスプレイを平らに寝かせられるほど可動域の広いスタンドを備える。また、いずれの機種でも、顔認識でログインできるWindows Hello対応カメラを搭載している。
そして、Inspironブランドで初のゲーミングデスクトップとなる「Inspiron ゲーミングデスクトップ」の開発にあたっては、PCゲームユーザーが求める「CPU、GPU、メモリー、ストレージといった構成」「冷却機構」「拡張性」の3つを重視したと語る。ユーザーの声を取り入れるために、チームを組んでプロゲーマーはもちろん、一般的なゲーマーとも関係を築いてきたという。
レイモンド・ワー氏は「PC製品において、今後さらにイノベーションが求められているのがゲーミングとVRです」とし、ゲーミングPC市場に大幅な成長が見込まれつつも「真にVR性能を発揮できるPCは、まだ数少ないのではないでしょうか」と、新製品に期待を込めた。
発表会全体を通して、レイモンド・ワー氏から繰り返し発せられる「イノベーション」と「カスタマーエクスペリエンス(顧客体験)」というキーワードが印象的で、同社の現状と今後の方向性が垣間見えたように感じられた。