静岡鉄道は24日、新型車両A3000形(2016年3月から運行開始)が2017年の鉄道友の会ローレル賞を受賞したと発表した。静岡鉄道の車両のローレル賞受賞は今回が初となる。
A3000形は静岡鉄道が43年ぶりに導入した新形式の通勤型車両で、2023年までに全12編成24両を導入する計画となっている。車体は軽量ステンレス製で、FRP製の先頭部は直線と曲線を組み合わせた都会的なデザインに。全12編成のうち、7編成は静岡をテーマとした7色のラッピングを施す予定だ。座席はセミバケットタイプのロングシートで、1人あたりの座席幅は既存車両1000形より45mm拡大された。バリアフリースペースの設置やユニバーサルデザインの採用にも取り組んでいる。
走行機器である主制御器・主電動機はともに静岡鉄道で初めて機器を採用し、高効率化や保守性の向上、低騒音化に成功。電動空気圧縮機はオイルフリーのスクロール式とし、メンテナンスの省力化を実現した。台車は1000形との部品互換性と信頼性を維持し、保守・点検整備の統一化を図った。運転台も1000形の運転操作を踏襲しているが、ハンドル位置検出方式を変更したことで信頼性を向上させた。
鉄道友の会はこれらを踏まえ、A3000形について「現在の鉄道車両において確立・熟成された高い信頼性を持つ技術をバランスよく選択した」「静岡鉄道の路線規模・運行形態・保守性などとのマッチングを十二分に考慮し、コンパクトかつオーソドックスにまとめられた車両である」と評価した。静岡鉄道は「ぜひ、ローレル賞を受賞いたしました『A3000形』に乗りにきてください!!」と発表している。